「一件一件の依頼を大事にすれば、信頼が増していく」

清水卓 弁護士
中央大学法学部卒業、中央大学大学院法学研究科(刑事法専攻)博士前期課程修了。大学院時代に研究した「犯罪被害者支援」を弁護士となってからも重要なテーマと位置づけて活動している

 しみず法律事務所の清水卓弁護士が駆け出しの頃に先輩弁護士からかけられた言葉だ。以来、清水弁護士はその言葉をモットーとし、着実に実績を積み上げてきた。

 業務の大きな柱は、若い起業家への法務サポート。依頼者は、通信やIT、不動産、派遣会社、学習塾など多岐にわたる。事業が拡大すれば、さまざまな法律問題が生じてくる。たとえば苦心して開発したオリジナル商品が模倣されたとき、商標や著作権、特許などが未登録だったケースも少なくない。そんなときは不正競争防止法などを駆使して、権利の保護に努める。知的財産権保護以外にも、契約や労務、コンプライアンスなど企業活動上必要なさまざまな法的サポートを行なっている。

「法務サポートを欲する起業家は多い一方、トラブルに巻き込まれて初めてその必要性に気づくケースも少なくありません。若い経営者ほどコンプライアンス意識は高いのですが、意外に備えは甘い傾向があります」

 目指しているのは、「依頼者との対等な関係」。37歳の清水弁護士自身、3人の弁護士を従える事務所の経営者でもあるから、若手経営者の気持ちや悩みが共有できる。依頼者と同じ目線で考え、相手企業の発展をサポートすることを重視しているという。

被害者支援を
ライフワークに

 清水弁護士は学生時代に研究テーマとした「被害者支援」をライフワークとしている。日弁連交通事故相談センターの相談員や、第二東京弁護士会の犯罪被害者支援委員会・副委員長を務めるなど、 さまざまな立場で実践もしている。

 依頼として特に多いのは、交通事故の被害者からの相談。

「被害者は法律の素人ですが、加害者側の保険会社はプロです。事故に加えて適正な賠償金を得られずに二重被害を受ける。そんな事態は断じて許せません」

 東日本大震災の被災者支援にも力を入れており、第二東京弁護士会の嘱託弁護士として震災対応業務に従事している。福島第一原発の被害に関しては、原子力損害賠償紛争解決センターの第1号事件の代理人を務めた。

 清水弁護士が被害者支援を重視する原点には、学生時代に父親を亡くし、悲しみからなかなか立ち直れなかった経験がある。「辛い状況にいる人の味方でいたい」。その思いは一貫している。

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