伝統的な分散投資とは違った
新しいアプローチを提案

 年金基金は当面、この下値リスクという課題と向き合っていくことになる。これに対するSSGAの提案は主に2つ。一つは、時価総額に縛られない新たなインデックスに基づいてパッシブ運用を行う「スマート・ベータ」だ。なかでも市場平均よりも低リスクに抑えつつ期待リターンを維持する運用を目指す「低ボラティリティ戦略」に注力している。

 もう一つは“リスク”に注目するアセット・アロケーションだ。一般的に、市場の方向性を当てることが非常に難しいことは周知の事実である。それに比べると、ボラティリティの予測は現実的といわれている。

「ボラティリティをコントロールの指標としてアセット・アロケーションをすることは、有用なアプローチであると考えています。特に、下値リスクへの対応に当たり、重要なポイントになるでしょう」(髙山氏)

 一方、SSGAが世界の機関投資家を対象として2015年前半に行ったサーベイでは、興味深い結果が出ている(図表2)。多くの年金基金では、下値リスクをコントロールすることの重要性を理解し、その対策を検討しているにもかかわらず、具体的な行動には至っていないという。あるいは、すでに実際に何らかの戦略を導入した経緯はあるものの、直近の投資環境が良好であったこともあり、そのコスト面が際立ってしまったケースもあるようだ。

 こうした実情に対し、髙山氏は「下値リスクへの対応に関して、当社は、伝統的な分散投資の延長とは違った、より新しいアプローチを提案しています。それがどのような効果をもたらすのか理解を深めていただくコミュニケーションにもますます力を入れ、よりお客様のニーズに合った提案をしていきたい」と締めくくった。

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年金基金、寄付基金、財団、政府系ファンドにおいて投資権限を有する
420名以上の上級幹部に
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https://www.ssga.com/r3/cio-volatility-insights-jp.html
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