ホテルラッシュにわくコタイ地区、
大小さまざまな顔
世界文化遺産と巨大カジノ人気の相乗効果で、マカオは、いまや世界でも指折りの観光地へと急成長を遂げた。それに合わせて、メガリゾートホテルの建設ラッシュも急ピッチ。来年度前半までに総客室数3700室というシャングリ・ラ、シェラトン、トレイダーズ、セント・レジスのサンズグループをはじめ、ギャラクシー、オークラ、バンヤンツリーのギャラクシーグループ、フェアモント、ラッフルズ、スイスの3ホテルグループが相次いで開業を予定。これらがすべて開業すれば、コタイ地区だけでも、客室総数1万室を超えるというから驚きだ。

ショッピングモールの充実度も、目を見張るものがある。ベネチアの街を移築したようなヴェネチアンのグランド・カナルは、長さ400メートルの運河沿いに350店舗がひしめく大型施設。世界のブランドショッピングを免税価格で楽しめる。
またマカオには現在、33ヵ所もカジノがあり、その総収入はすでにラスベガスの3倍に達したといわれ、前年度70%増という驚異的な伸び率も記録。まさにマカオは、世界最大のエンターテインメントシティなのだ。
MICEに人気の
貸し切りできる施設
マカオは個人旅行の旅先として人気があることはもちろん、MICE(Meeting, Incentive, Convention/Congress, Event/Exhibition、企業ミーティング・報奨旅行・国際会議・展示会などビジネスツーリズムの総称)と呼ばれる企業旅行の旅先としても人気が高い。
企業旅行の目的地に選ばれるには、宿泊施設に加え会議施設などの充実が要求される。その点、たとえばヴェネチアン・マカオ・リゾートには、普段はコンサート会場として利用されている1万5000人収容のアリーナがあり、これを貸し切りで利用できる。さらに、6000人収容のエキシビションセンターのほか、108室もの会議室が連なっている。また、複合施設シティ・オブ・ドリームズにある高層ホテル・グランド・ハイアットには、ユニークなキッチンショー付きの宴会場もある。
ヴェネチアン内には、幻想的なパフォーマンスショーが楽しめるシルク・ドゥ・ソレイユ「ZAIA(ザイア)」シアターもあって人気を博しており、これも貸し切り公演にすることが可能。そのほか、貸し切りで使える施設には事欠かない。
街を歩けば、ネオンきらめくビル街を背景にしたウィン・マカオの噴水ショーや、ハード・ロック・ホテル近くのアーケードで見られる人魚の映像ショー「ピークアリアム」など、ワクワクするアトラクションがそこかしこで繰り広げられている。人を楽しませるサービス精神がじつに旺盛なのである。

※「週刊ダイヤモンド」10月2日号も併せてご参照ください。
※この特集の情報は2010年9月27日現在のものです。