中古住宅の流通が活発な
欧米並みの住宅政策が急務

 一方で、東京23区の新築マンションの平均価格は、15年に6842万円、16年には7318万円※1と高騰している。住宅業界では「6000万円を超えると一般市民には手が届かなくなる」といわれている。まして7000万円超えとは、一体誰のための住宅なのか。

 バブル期に日本人が海外の不動産を買ったように、今は台湾やシンガポール、中国の人々が日本の不動産を買っている。しかし投資先として人気なのはロンドンやハワイなどで、東京は2番手。着工数を下支えするほど外国マネーが入ってくるとは思えない。いずれババを引く人が出るだろうと危惧している。

 こうした状況なので、今は中古住宅購入を検討するのに適した時期といえる。新築価格の高騰に伴い中古価格も上昇傾向にあったが、昨年の秋ごろから落ち着き始めている。中古住宅の価格にはその地域の過去の取引実績が反映されるため、適正価格がつかみやすい。今こそ上手に値下げ交渉をしながら、いい中古物件を入手してほしい。

 そして国には、「中古住宅の流通量が新築の5倍」という欧米並みの住宅政策を求めたい。人の一生で最もコストがかかるのは、住宅と教育だ。「住宅が安くなれば子どもが生まれる」という学説もある。多くの人が安心して子育てができる住宅政策は、国の将来に関わる根幹であることを肝に銘じてほしい。

 ※1 不動産経済研究所データより

 

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