10月31日、定期便が就航し、国際化する羽田空港。昨秋B滑走路が延伸、発着枠が増加した成田空港。劇的に変わろうとしている日本のエアポート事情。快適なビジネストラベルを実現するために空港を活用するための基本情報を知っておきたい。

 

 羽田に国際定期便が本格的に就航するのは32年ぶり。羽田を利用するメリットや成田・関空などの現状など、押さえておきたいポイントをQ&Aスタイルで解説する。

Q 新滑走路はどこにできて、
深夜や早朝も発着が可能となるのですか?

A 新滑走路完成の羽田空港に国際定期便が就航、深夜・早朝の時間帯も発着。B滑走路が延伸した成田空港も発着枠が拡大した。

羽田の新国際旅客ターミナルはユニバーサルデザイン。D滑走路は2500メートル。新滑走路完成を機にハブ空港化を目指す

 羽田空港にD滑走路が完成し、10月31日に供用が開始される。以前から国際チャーター便の定期運航という特殊なかたちでソウル、上海、北京、香港への便が飛んでいたが、これで本格的に国際定期便が就航する空港となる。

 24時間空港の羽田からは、午後9時以降、午前8時までの時間帯に発着する深夜・早朝便も運航される。たとえばJALとエールフランスが共同運航するパリ行きは羽田を深夜1時30分発。パリに早朝6時20分に到着するのでヨーロッパ各都市への乗り継ぎが非常によい。帰国便は、羽田に朝6時55分着。そのまま出社することもでき、効率的なスケジュールが組める。

 一方、成田空港は、昨年10月にB滑走路が2500メートルに延伸され、供用開始となった。B滑走路が延伸したことで、年間発着枠が年20万回から22万回に増加し、今春には中東への路線が就航するなど、国際ネットワークが拡充した。

Q どの航空会社の、どの路線が
増便になるのですか?

A 羽田からは、アジア、米国、パリやロンドンへ就航・増便。成田は今春、中東路線が就航。

 羽田からは、現在も就航されているソウル、上海、北京、香港線が継続・増便されるほか、アジアでは、台北(JAL、ANA、エバー航空、チャイナ)、バンコク(JALウェイズ、ANA、タイ航空)、シンガポール(JAL、ANA、シンガポール航空)、コタキナバル(マレーシア航空)、クアラルンプール(エアアジア)へ就航。

 台北線は、成田発着便の場合、郊外の桃園空港発着となり、羽田発着便は市内にある松山空港の発着だ。大韓航空のソウル線は金浦空港発着に加え、1日1便が仁川空港発着のフライトとなる。香港線も増便となり、キャセイが1日2便就航。
また、12月には、アジア最大手の格安航空会社(以下LCC)であるエアアジアも乗り入れる。

 欧米線では、ロサンゼルス(ANA、デルタ航空)、デトロイト(デルタ航空)、ニューヨーク(アメリカン航空)、サンフランシスコ(JAL)、ホノルル(JAL、ANA、ハワイアン航空)、バンクーバー(エア・カナダ)、パリ(JALとエールフランスの共同運航)、ロンドン(ブリティッシュ・エアウェイズ、2011年2月11日から)が決まっている。

 発着枠が拡大した成田からは、今春、エミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空の中東3社とマカオ航空が新規就航し、エア・カナダが新規路線としてカルガリー線を開設した。