英語4技能測定の
スタンダードへ

 IIBCでは8月5日から、さらなるブランド力向上を目的にプログラムを整理し、テストの名称を変更する。具体的には、これまで「TOEICテスト」と定義してきたListening(聞く)とReading(読む)の2技能を測定するテストを「TOEIC Listening & Reading Test」(略称TOEIC L&R)に、Speaking(話す)とWriting(書く)の2技能を測定するテストを「TOEIC Speaking & Writing Tests」(略称TOEIC S&W)に名称変更する。変更するのは名称だけで、テスト内容の変更はない。

 今IIBCでは、後者の「TOEIC S&W」の普及に力を入れている。これは日常生活やグローバルビジネスで活きる、“話す”“書く”を測定するテストだ。英語でのプレゼンテーションなど対面のコミュニケーションや、eメールその他のビジネスドキュメントの作成などがある。受験者はテスト会場でヘッドセットを装着、パソコン画面の指示に従って音声を吹き込んだり、文章を入力したりして解答する。

 「受験した解答データは採点に偏りが出ないよう、ETS認定の複数の採点者が採点します。ネイティブや英語に堪能なノンネイティブスピーカーに通じるか、与えられたタスクに対して的確に解答できているか、などをスコアで示します。英語で話す、書く力を測るニーズが高まっていることを背景に、受験者数は5年連続で増加していますが、まだ『TOEIC L&R』の1%。仕事で使われる英語の発信力の指標として、さらなる拡大と定着を目指しています」と山下常務理事は意気込む。

英語の発信力向上を
応援する試みも

 このほかIIBCでは、今年から英語発信力の向上を応援するため、英語で“話す場”の提供を行っている。今年2月には、 期間限定でJ-WAVEとの共催で六本木ヒルズに「TOEIC ENGLISH CAFÉ」をオープン。3月には東京都港区のアメリカンクラブで一般社団法人日米協会との共催で、参加者が英語で交流するイベントを開催した。

 「今後もIIBCは、話す場を提供するイベントやTOEIC Programを通じて人と企業の国際化の推進に貢献していきます。今後も英語能力を測る正確なモノサシを提供していきます」と語る山下常務理事。時代に合わせた柔軟な取り組みと、評価にぶれのないテストの品質が、ビジネスパーソンからの支持を集め続けている。

"英語で話す場"を提供、英語発信力を応援する

 六本木ヒルズに期間限定でオープンした「TOEIC ENGLISH CAFÉ」には、J-WAVEのナビゲーターが日替わりで登場、英語でコミュニケーションする楽しさを体感してもらった。日米協会共催のイベントでは、フォーマルな場での英語でのコミュニケーションを体験。参加者からは「普段英語を話す機会が少ないので、実際の英語コミュニケーションレベルがどの程度か知ることができた。参加者のレベルが高くて刺激を受けた」などの声が寄せられた。また2月に台湾で開催された「ISU四大陸フィギュアスケート選手権2016」に6人の学生ボランティア(TOEIC L&Rスコア750点以上、TOEIC Speakingスコア140点以上)を派遣するなど、IIBCはさまざまな"英語で話す場"を提供している。