都心20㎞圏にありながら
都心部のような激戦地「府中」
京王線は西武新宿線ほどではないにせよ、「国分寺」前で坪単価400万円を超えるようなJR中央線沿線よりも割安にマンションを得ることができる路線だ。地下化が完了した「調布」周辺では坪単価も300万円を超えてきているが、さらに先の特急停車駅「府中」は多摩最大の激戦地と呼べるだけの状況にあるようだ。
駅南口の再開発は20年前に専門店街フォーリスと伊勢丹が、10年前にグランタワー府中ラ・アヴェニュー(28階建て・242戸)が上階にある再開発ビル「くるる」がそれぞれできて、残すは駅に一番近い第一地区のみとなっていた。
15階建ての再開発ビル上層階に138戸(うち非分譲27戸)のプラウド府中ステーションアリーナ(野村不動産)が入った。平均坪単価は3年前に販売されたプラウド府中マークス(17階建て・231戸)や昨年末販売のプラウド府中パサージュ(15階建て・84戸)より5割ほど高いが、駅直結1分という圧倒的な利便性で即日完売した。現状では、約2億円の住戸が先着順で1戸残るのみとなっている。
3年前に売り出された物件の平均坪単価を見ると、200万〜230万円ほどの間にちらばっている。これが昨年あたりから240万円を超えるようになってきた。
駅徒歩5分圏内は商業地とマンションが混在しており、今、分譲が進められているのは10分圏内が中心となっている。マップをご覧いただくと分かるように、甲州街道(国道20号)や旧甲州街道(都道229号府中調布線)周辺に人気がある。
大手では、府中警察署のはす向かいで大和ハウス工業がプレミスト府中を販売している。
その他のデベロッパーは中堅が主体となっている。ミオカステーロの山田建設(本社:大田区)も府中周辺で連続して物件を手掛けており、現在は「府中町」と「府中緑町」の2物件を扱っている。
一建設のプレシス府中は上の写真の宮町中央通り東側沿いに建設が進められているが、敷地は90坪弱で12階が建つ。郊外立地のはずなのに、まるで中央区の旧日本橋区周辺のような状況にある。坪単価では200万弱〜240万円強で売り出している。
府中ではこの3年内に、タカラレーベン、明和地所、大京、NIPPO、サンケイビル、穴吹工務店、コスモスイニシア、そしてグローバル・エルシードなどが販売している。しばらくの間、激戦が続きそうなエリアといえそうだ。
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