20〜30代女性は
都心寄りに多く分布

 最近の住宅選びには、女性の社会進出と経済力の向上が影響を及ぼしている。専業主婦がいる世帯が減り、フルタイムで共働きを続ける世帯が増え、晩婚化・非婚化・離婚率の増加に伴って女性シングル層も増加している。

 このことが、住まい選びに関する女性の発言力の高まりに直結しているとみていいだろう。

 では、そうした働く世代の女性はどんな街に多く住んでいるのか。20~30代の若い女性比率が高い街を切り分けてみると、全人口比で見た女性人口比率と全く異なる街名が浮かび上がってきた(下表)。

「20~30代の女性が多く住む駅」べスト100位までは、現在、書店で販売中の「週刊ダイヤモンド」別冊 2016年9月30日号『新築 マンション・戸建て はじめての新築住宅購入法』をご参照ください

 「全人口比率で上位の名の通ったブランド住宅街は、若い女性にとっては『住みたい街』というよりも、『住めない街』であることが多い。以前は専業主婦が多く、子育てに適した住環境優先で住まいを選んでいたからです。最近の若い女性はそうしたことより、交通利便性と生活利便性を重視する傾向が強まっています」

 この調査は単純に人口に占める男女比を示しただけだから、20~30代女性といっても、親元に同居している人もいれば、賃貸に住む人もいる。それでも、全体的に見て街選びに変化が生じていることが、はっきり分かるという。

 「共働き世帯や女性シングルが求めるのは、第一に職住近接。交通利便性が良い街が何より好まれます。加えて毎日の買い物の便など、生活利便性が高いこと。マンション価格が上昇している中で、少しでも割安感がある街へという動きも読み取れます」

 確かに、若い女性比率が高い街は、圧倒的に便利な都心寄りに多い。若い女性が多い街には、飲食やファッションの店が増え、街自体が華やいで、新たに人を呼び込んでいく。今後、人口減少局面が訪れる首都圏において、「生き残る街」になっていく可能性は高い。

 マンション事業を手掛けるデベロッパーも、そうしたポテンシャルの高い街を調べ、集中的に資本投下しているのだろう。

 街はまるで生き物のように、成長したり、衰退したりする。これから東京や神奈川で、どこが伸びていくのか──。

 

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