恨みやつらい経験、感覚に敏感
気持ちの切り替えが困難に

 恨みやつらい経験についても聞いている。

「誰か、あるいは何かに対して、強い恨みを持っていることはありませんか?」の問いには、「ある」と答えた人は112人。全体の33.9%に上った。

 その内訳は、「学生時代のいじめ」26.8%、「父親」19.6%、「両親」17.9%、「母親」16.1%、「会社や上司」7.1%と続く。

「この質問も、注意転換の困難さと関係しています。思い浮かべる記憶を再体験し、それに囚われてしまい、気持ちを次に切り替えられなくなるのです」(境准教授)

 嫌な記憶が蘇ることは、誰にでも起きることだろう。ただ、その記憶にかき乱されてしまって、「ま、いいか」と思うことができなくなってしまうのかもしれない。

 こうした記憶は、「感覚異常」にも関連してくる。

「視覚や聴覚に異常を感じたことはありますか」の問いに、「ある」と答えたのは72人で、全体の21.7%だった。

 その内訳は、聴覚46.9%、視覚56.3%、嗅覚9.3%。「服装にこだわりがある」と答えた人は79人で、全体の23.7%。

「感覚に対して敏感で、記憶によって想起される感情に対しても敏感になっていることがわかります。こうした敏感さも、発達障害に起因する場合もあると考えられます」(境准教授) 

 実は、これらの結果は、引きこもり本人の調査の回答のほうが、より高い得点を示しているという。