巨人復権 大NTTの野心

NTTが約40年越しの巨大な再統合を完成させようとしている。2020年にNTTドコモを完全子会社化してから4年余りが経過し、いよいよ”総仕上げ”となるNTTデータグループの完全子会社化を進めている。85年に民営化したNTTは、バブル期の株価高騰で一時は時価総額世界一だった。しかし、88年にNTTデータグループを、92年にはNTTドコモを分社化したのに続き、99年に持ち株会社を発足させて分割・再編成。それと並行して時価総額を減らし続けて、世界トップの座を米テック大手に奪われた。日本企業の凋落に重なる歴史を経て、再び1つのグループへと統合する。NTTドコモの巨大なキャッシュフローを、NTTデータグループを中心とする海外事業や次世代通信技術「IOWN」などへの成長投資に注ぎ込むグループ一体の戦略を遂行する体制を整えた「大NTT」は世界を席巻する存在に再びなれるのか。その野望と課題に迫る。

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