2025年6月、早くも2027年3月卒業の学生の就職活動がスタートしている。近年、就職活動はますます早期化・長期化の様相を呈している。そんな中で、17年連続売上No.1を更新し続けている『絶対内定2027』シリーズは、不安な就職活動におけるお守りのような一冊だ。激変する就職活動にどう取り組んでいけばよいのか、本書の共著者であり、キャリアデザインスクール・我究館館長の杉村貴子氏に、就活生とその親が絶対に心得ておくべきポイントを聞いた。本稿では、今すぐ始めるべき就職活動はじめの一歩について斬り込んだ。(取材・文 奥田由意、企画 ダイヤモンド社書籍編集局)

「間に合わない」は思い込み
6月現在、サマーインターンシップのエントリー締め切りが迫る中、「まだ就職活動を何もやっていない」という学生からの相談が多く寄せられます。
最初にお伝えしたいのは、今からでも全く問題なく間に合うということです。
我究館にも、この時期に「もう間に合わないのではないか」と不安を抱えて来る3年生になったばかりの学生が多くいますが、効率的に、そして戦略を持って取り組めば十分に挽回可能です。重要なのは、行き当たりばったりではなく、全体像を把握して計画的に進めることです。
今すぐやるべきは「自己分析」と
「エントリーシート」の同時進行
就職活動には、「自己分析→会社研究→(面接など)アウトプット」というプロセスがあります。全体像を把握して計画的に進めるとは、基本的にこの順で進めていくということです。
現在の最優先事項は、①自己分析を進めながら、②同時にサマーインターンシップのエントリーシートを提出することです。
今から就職活動を始める学生は、以下の手順で効率的に準備を進めてください
・6月中:サマーインターンシップへのエントリーと自己分析開始
・7月:業界・企業研究の本格化と社会人訪問の準備
・8月以降:サマーインターンシップ参加または秋冬インターンシップに向けた準備
サマーインターンシップの目的は「業界理解」「企業理解」です。つまり、会社研究や仕事理解が完全に固まっていなくても、エントリーできる段階なのです。興味のある分野があれば、どんどんエントリーしていくことが重要です。
「質×量」で必ず挽回できる
なお、仮にサマーインターンシップで思うような結果が出なくても、そこで諦める必要はありません。重要なのは「質×量」の掛け算です。
大学1年生から準備していた学生と比較すればかけた時間の「量」の面では劣るかもしれませんが、そこからマイペースに進めるのではなく、どれだけ「質」の高い「量」を重ねられるかが勝負になります。
もちろん、秋冬のインターンシップ、そして近年は本選考が1月頃から始まるため、時間的には決して余裕があるとは言えません。