
2025年3月ごろから力強い回復を見せるインド株式市場。6月もその勢いを維持している。特に中小型株が目覚ましい上昇を見せ、日本のインド株型投資信託への資金流入も回復基調だ。地政学的リスクによる原油価格の上昇という懸念材料がありながらも、インド中央銀行の大胆な利下げが市場を押し上げ、投資家の期待感を高めている。
6月のインド株市場は4カ月連続で上昇
特に小型株は1カ月で5.7%上昇と好調!
インド株式相場は、2025年6月も堅調な動きとなりました。インドの主要株価指数を見ると、大型株で構成されるNifty50指数は月間で3.1%と、4カ月連続の上昇となりました。地政学的リスクの高まりから原油価格が上昇。一方で、インド中央銀行が一部の市場予想を上回る0.50%の利下げを決定し、インドのインフレが緩和されたとの見方が広がったことなどが買い材料となりました。
規模別の株価指数で見ると、Nifty Midcap150指数(中型株)が4.1%の上昇、Nifty Smallcap250指数(小型株)が5.7%の上昇といずれも4カ月連続のプラスに。6月は5月に続いて時価総額の小さい企業の上昇率が高い相場となりました。
インド株は年初に中小型株を中心に大きく売り込まれたものの、3月以降は中小型株がより大きく値を戻しており、他の株式市場と比べても堅調な動きとなっています。こうした流れを受けて、日本のインド株型投資信託への資金流入も回復基調にあるようです。
より大きなリターンを狙って中小型株型や
テーマ株型に資金が流入!
上のグラフに示したように、6月のインド株型投資信託の資金流入額は+119億円と2カ月連続のプラスとなり、5月の+151億円に続き100億円を上回る資金流入額を記録しました。一方、外国株式型投資信託全体の資金流入額は、世界貿易をめぐる不透明感などを背景に、6月は+5200億円程度と5月の+9200億円から大きく減速。これと比較すると、インド株型投資信託の相対的な好調さがうかがえます(モーニングスター・ダイレクトのデータによる)。
次に、インド株型投資信託の資金流入額を4つのタイプ別に集計したグラフを見てみましょう。
6月に最も資金が集まったのは、インドの中小型株投資信託でした。テーマ型のインド株型投資信託や、市場全体に投資するパッシブ(インデックス型)がそれに続きます。一方で、古くから設定されているインド株型投資信託が多く含まれる市場全体に投資するアクティブ型は、利益確定売りなどから小幅ながら資金流出に転じています。
6月の中小型やテーマ型の人気は、インド株市場のより大きなリターンを狙った投資家の動きと言えそうです。

20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017