エンジェル投資家 大湯俊介

■2019年の振り返り

 やはりPayPayLINE Payにおける決済戦争や、Yahoo!、ZOZO、LINEなど大規模企業の合従連衡が起こり、それが新興企業にも大きく影響を及ぼすようになったのが記憶に新しい。

 そんなカオスのさなか、水面下ではVTuberやその他バーチャル領域が躍進しており要注目。実は密かに収益化、そして海外展開を進めている企業が増えてきており、次なるお手本になるのではないかと思います。

■2020年のトレンド予測

 2020年は「GBCのバランス」をとれるチームがうねりを起こす年になると思います。

 直近で世界各地を回ってきた実感として、強いスタートアップが生まれる都市は政府(Government)から起業家へのスタンスが明確です。例えばカナダであれば、創業者の移民ビザが最短2週間で取得でき、また域内に支社さえあれば補助金がとれたりするようです。またルワンダは、日本でいう霞ヶ関にwalk-inで入っていって政治家と仲良くなり、今では毎週閣僚と議論してサービスづくりしているという起業家に会いました。

 調達環境という意味では2019年はSaaSが市場を席巻していましたが、来る年はtoB(Business:ここでは企業を指す)をメインにする会社が、よりエンドカスタマー(Customer)に目を向けたサービスを構築・買収していくのではないかと思います。

 例えば、先に述べた大手企業による推進や政府の減税施策も相まって、やっと日本でもオンラインでお金の流れることを前提とした「コンシューマに普及しうる金融プロダクト」の産声が聞けるのではないかとワクワクしていたりします。これらを踏まえ、2020年はサービスづくりにおいて「GBCのバランス」を絶妙に取る企業に注目したいなと思っています。

gumi 代表取締役会長 國光宏尚

■2019年の振り返り

 孫さん率いるソフトバンクグループ無双(笑)。ビジョンファンドがVCマーケットを良くも悪くも席巻。ZOZO買収、LINEと統合、PayPayで国内でも存在感大。

 ユニコーンのバリュー算定。Uber、WeWorkなどカリスマ創業者のフォースとガバナンス。一方でGoogleやアリババの創業者引退。GAFA分割論が本格化。Libraを筆頭にネット企業と規制当局の衝突。米中摩擦の激化。ネットのブロック経済化。

■2020年のトレンド予測

「Make the World a Better Place」をマントラに、グローバル化とテクノロジーの進化は世の中を確実に良くするという無邪気な古き良き時代の終焉を感じたのが2019年でした。

 それに対して2020年がどうなるかと言えば、2007年に始まった「スマホ、ソーシャル、クラウド」の時代から「xR、ブロックチェーン、AI」の時代への移行が目に見えて分かるようになる年になります。その始まりとしてVR市場がゲームを中心に急速に立ち上がりを見せます。「Oculus Quest」は北米だけでなく日本でも大ブームが起こるのは間違いない。ブロックチェーンも各国での規制がまとまり、いよいよ前向きなイノベーションが目立ってくる年になると思います。

 ネットのブロック経済化は更に進みます。特に米中対立は、テクノロジー産業においては鉄のカーテンまでいくと思います。Huaweiだけにとどまらず、かなり多くのサービスやプロダクトがお互いに禁止になると思います。欧州と米国も一枚岩ではなく、ここにビジネスチャンスも生まれてくると思います。日本もこれを機に国家の成長戦略、新産業の育成を真剣に議論するタイミングだと思います。

エンジェル投資家 柳澤安慶

■2019年の振り返り

 まずはビジネス系のSaaSとYoutubeコンテンツ関連ではないでしょうか。人手不足による採用系、D2C物販、O2Oも引き続き盛り上がっていますね。そのほかGoogleやSNS上から発見できるコンテンツでは満足できないような領域に特化した、バーティカルメディアもあります。

■2020年のトレンド予測

 GoogleやSNSへの社会的な風当たりはますます強くなると思いますので、プラットフォーマーは保守的にならざるを得ない。そこにチャンスがあると思います。すでに寡占されていると考えられている分野で、丁寧にユーザーのニーズを拾って、その価値を再構築していけるプロダクトは強いのではないでしょうか。