「知識や難しい計算は不要で、“考える力”さえあれば誰でも解ける」
それが、「論理的思考問題」だ。Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験でも出題され、“考える力”を鍛えるトレーニングとしても注目されている。この論理的思考問題の傑作を紹介した書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之著、ダイヤモンド社刊)は2024年の年間ベストセラー4位(ビジネス書単行本/トーハン調べ)に。シリーズ最新作『もっと!!頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』も登場し話題になっている。
なにより異例なのが、本書はビジネス書であるにもかかわらず子供の読者も多いことだ。「6歳の娘が自分で読みはじめた」「10歳の息子が夢中になっている」など、全世代を超えて親しまれている。この記事では、同書から1問を選んでAIに出題してみた。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』より
あなたは「AI」より賢い?
論理的思考問題は、世界中で創作され、何百年にもわたって楽しまれてきました。
では、人間より賢いと言われる「AI」は解くことができるのでしょうか?
そこで、「論理的思考問題」の定義をしたうえで、書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から1問を抜粋して、AIに下記のように聞いてみました。
・知識や難しい計算は不要で、問題文を読んで論理的に考えれば答えが出せる
・必要な情報は、問題文に書かれていることのみ
上記の定義を踏まえて、下記の「論理的思考問題」を解いてください。
「2回目の競走」
あなたはライバルと100メートル走をすることになった。
1回目の競走で、あなたは負けてしまった。
ライバルがゴールした瞬間、あなたはまだゴールの10メートル手前を走っていた。
そこで2回目はハンデとして、ライバルはスタート地点の10メートル後ろから走った。
2回目の競走で勝ったのはどちらだろうか?
なお、あなたとライバルはつねに一定の速度で走る。
――『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(83ページ)より
さて、回答はいかに?
ここから先に、AIによる解説と回答を掲載しています。
進む前に、一度ご自身でも考えてみてください。
…よろしいでしょうか。
では、回答を見てみましょう。
なおAIによる回答は実際の出力から内容を変えずに、文字のサイズ、色、太さのみ編集しています。
AIの回答
勝ったのはライバルです。
◾️考え方(論理的に整理)
1回目の競走の状況から、「速さの比」がわかります。
ライバルが100m走り終えたとき、あなたはまだ10m手前、つまり90mの地点にいます。
このとき、かかった時間は同じなので、速さの比は
あなた : ライバル = 90 : 100 = 0.9 : 1
つまり、あなたの速さはライバルの0.9倍です。
◾️2回目の競走
2回目は、
・ライバル:スタートより10m後ろ → 110m走る
・あなた:ふつうにスタート地点から → 100m走る
ライバルが110mを走り終える時間を(t)、ライバルの速さを(v)とすると、
(t = 110 / v)
その同じ時間(t)のあいだに、あなたが走れる距離は、あなたの速さは0.9vなので、
距離 = 0.9v × (t)
= 0.9v × (110 / v)
= 99m
◾️結論
ライバルがゴール(110m)したとき、あなたは99m地点にいるので、あなたはまだ1m届いていない。
したがって、2回目もライバルの勝ちになります。
ふむふむ、なるほど…。
この回答、はたして正解なのでしょうか?
次ページで、書籍で紹介している回答を確認してみましょう。



