2018年に経済産業省・特許庁が「『デザイン経営』宣言」を発表して以来、ビジネスにおけるデザインの役割が注目されている。これまで、日本の行政においてデザインは、「色や形(造形)」によって製品に特徴を与えることとして認識されていた。これは、大多数の企業経営者や一般社会の認識にも符合する。しかし、「『デザイン経営』宣言」では、企画構想からエンジニアリングまでを含む幅広いデザインを対象としている。その結果、デザインに対する注目度が高まる半面、従来の「狭義のデザイン」と、今日的な「広義のデザイン」に対する認識が混在し、「分かりにくい」状況が生まれている。本稿では、そうした混乱を読み解きつつ、経営にデザインをどのように活用していくのかを考えたい。
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