ホテルの「食べ放題・ビュッフェ」が叩き出す利益率が驚異的…客が損してるってこと?写真はイメージです Photo:PIXTA

外食の値上げが続く中、お得感があって人気の食べ放題・ブッフェレストラン。一見“太っ腹”に見えて、裏側では綿密な戦略が張り巡らされているのを知っているだろうか。料理の構成や並び方には何か秘密があるの?1人6000円であれば、食材の費用はいくらかかっている?意外と奥が深い、食べ放題ビジネスの裏側をのぞいてみよう。(グルメジャーナリスト 東龍)

食べ放題・ブッフェ店は
どうやって儲けているの?

 物価高でさまざまなモノやサービスの値上げが相次ぐ中、外食のコスパを気にする人がいっそう増えている。そんな今、あらかじめ値段が決まっていて、思う存分楽しめる「食べ放題」や「ブッフェ」レストランが人気だ。

「好きな食べ放題・飲み放題」(ぐるなび調べ)によると、回答者の約8割が「食べ放題・バイキング・ビュッフェスタイル」を「好き」と回答。日時では「休日の昼」が約2割で最も多かった。

 夏休みは解放的になり、非日常感のある食べ放題を楽しむ人も多くなる。提供する店にとっては、まさに稼ぎ時だ。しかし昨今の飲食業界は原材料費や光熱費の高騰、人手不足の課題を抱える。食べ放題・ブッフェビジネスはどうやって儲けているのだろうか?

 まず、押さえておきたいポイントは、食べ放題に並ぶ食材はその時々の「食材相場」に影響されることだ。

 たとえば今夏はマグロが豊漁で、価格も安定傾向にある。そのため、寿司や刺身コーナーではマグロを前面に出す機会が増えるだろう。一方で、スルメイカやサンマ、サバ、サケは不漁で価格が高騰している。食べ放題で目にする機会は大幅に減りそうだ。

 こうした食材相場で左右される状況でも、食べ放題・ブッフェを扱うホテルや大手外食企業では、うまく対応するワザを持っている。