
お盆休み、帰省や旅行に出かける人も多いだろうが、その合間や、どこにも行かず涼しい部屋で過ごそうという人には、ぜひ読書を勧めたい。今回はお盆休みにオススメの3冊をご紹介しよう。
筆者はビジネスパーソンの必読書を厳選し、その要点をダイジェストにまとめて配信するサービス「SERENDIP」のチーフ・エディターを務めている。今回はSERENDIPで好評の書籍から、3冊を厳選した。(情報工場「SERENDIP」チーフ・エディター 吉川清史)
「50年後の未来」を
想像してみよう
今年は、一般的にお盆期間とされる8月13日~16日のうち3日間が平日のため、前後の土日や祝日を含めた大型連休が取りやすい。帰省などでかえって忙しなくなる人もいるだろうが、ほとんどの人が、多少なりとも仕事を忘れる「自分の時間」が持てるのではないだろうか。
いつもは目の前の仕事をこなすのに精一杯、という人にこそお勧めしたいのが、ぽっかり空いた時間に「未来」について考えることだ。
「将来の自分」ではない。50年から100年くらい先の未来社会を想像してみてほしい。凝り固まった思考を解きほぐすことで、想像力と広い視野が得られるかもしれない。
『いのちの未来』(日本経済新聞出版)は、そんな、頭の中の「未来への旅」を手助けしてくれる一冊だ。
盛況が伝えられる大阪・関西万博には、メインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」のもと、8つのサブテーマが設けられ、それぞれにテーマ事業プロデューサーがいる。
その中の1人でサブテーマ「いのちを拡げる」を担当する、ロボット学の第一人者、大阪大学栄誉教授の石黒浩氏が本書の著者。50年後、2075年の人類の進化と社会の変化を予測しつつ、それを具現化した万博のシグネチャーパビリオン「いのちの未来」の展示の一部と、製作の舞台裏を紹介している。