「いまより幸せな人生を送りたいのなら、ヘロイン、コカイン、覚醒剤を使いなさい」といわれたら、「頭がおかしいのではないか」と思うだろう。だがこれを大真面目に主張するのは、コロンビア大学心理学部・精神医学部教授で、数少ない黒人の薬物依存症専門家としてメディアなどで積極的に発言しているカール・L・ハートだ。『薬物戦争の終焉 自律した大人のための薬物論』(松本俊彦監修、片山宗紀訳/みすず書房)はそのハートが、自らドラッグ(ヘロイン)を娯楽目的で使用していることを告白して話題になった。

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