「円安は国益、円高は危機」――そんな価値観が当たり前だった時代があった。1971年のニクソン・ショックで日本中が「輸出立国の終わり」に震えるなか、昭和天皇はいち早く円高の恩恵に目を向け、「円が強くなることは、国が豊かになることではないか」と問いかけていた。昭和天皇が半世紀以上前に投げかけた問いは、「円安は本当に国益なのか」という現代の常識にも鋭く切り込んでいる。※本稿は、経済学者の齊藤 誠『日本経済を診る――シン・競争の作法』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

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