『モモ』に登場する時間泥棒は、人生を秒単位に換算し、無駄をなくして効率的に生きるよう人々に迫る。だが、筆者が注目するのは、大量の言葉を重ねながら、新しいことを何も語っていない点だ。時間を節約するほど言葉が増え、意味が失われていく。そんな現代社会の奇妙な逆説を考える。※本稿は、現象学者の村上靖彦『生き延びるための会話 他者と生きることの哲学』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

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