世界に名をはせる日本の工業製品のクオリティを原料・材料調達の側面から支える化学系商社。新たな基軸で変革を進める明和産業の成長戦略を、大友伸彦 代表取締役社長が語る。 

ohtomo1明和産業 大友伸彦 代表取締役社長
1956年生まれ。三菱商事勤務、MC山三ポリマーズ代表取締役社長を務めた後、米国三菱商事会社本店および北米三菱商事会社にて化学品部門担当シニア・バイス・プレジデント。2015年6月、明和産業取締役経営企画担当就任。16年6月より現職。

 1947年、GHQ(連合国軍総司令部)の財閥解体政策に沿って、旧三菱商事の資材部化工品課が独立して、当社が設立されました。以来、化学品商社として、独立独歩を貫いています。

 社名は、「人格を尊重し合い、和やかな交わりを開く」という意味の「明光和親」から。企業理念にもなっており、和を重んじる社風といえます。

 中国、ソ連、東欧諸国、ベトナム、キューバといった旧共産圏諸国の貿易窓口として取引してきたことから、現在も幾つかの国々と緊密な関係を維持しています。

 特に中国に充実した販売・物流拠点を有することは、当社の強みです。今春の組織改革で、従来の化学品・石油製品本部を分割し、化学品、石油製品、機能材料、合成樹脂・建材の4本部制としました。経営戦略とリンクした新しい体制で、お客さまによりいっそう高い価値を提供していくつもりです。

 3年間の中期経営計画は、最終年度を迎えました。中国情勢の変化などもあって、定量目標には届きませんが、定性目標は相当程度達成できる見込みです。今後も、取り扱う商材への機能や用途に対するニーズは変化していきますので、スピーディに対応する基盤を整えました。今は将来に向けて、新たな段階への飛躍を期しています。