稼働率を高めたい物流施設、最適な物件を探したい企業。両者を情報でつなぐことで相互のメリットを実現するのが、イーソーコの運営する「イーソーコ.com」の大きな役割だ。このマッチングサイトには、全国で約3万件の物流施設情報が登録されている。また、同社は倉庫のオフィス転用など、顧客視点に立った物流不動産づくりをサポートする事業も展開している。

遠藤 文
イーソーコ 代表取締役

 物流不動産に課題を抱えている荷主・テナントは少なくない。自社に最も適した場所に、最適な広さと設備を持つ倉庫を借りたい。しかし、「ちょうどいい」物件にはめったに巡り合うことがない。イーソーコ代表取締役の遠藤文氏はこう指摘する。

「倉庫を見るときには、多くのチェックポイントがあります。面積や天井高だけでなく、床荷重や空調なども重要。また、大きなコンテナを積んだトラックが建屋に入れる倉庫もあれば、前面の道路が狭く小型トラックを横付けするのが精いっぱいという倉庫もあります。条件に完全に合致する物件を探し出すことは、非常に難しいです」

情報の量と
詳細さを備えた
マッチングサイト 

 もう一方の貸し手側はどうか。全国には数多くの倉庫オーナーがおり、それぞれが営業活動を行っている。借り手から問い合わせがあれば当然、自社の物件を提案する。 

 限られた物件の中から選ばざるを得ない借り手には不満が残る。コスト高を承知で設備過剰な倉庫を契約した企業もあるだろう。このような課題に対して、イーソーコは解決策を提示している。遠藤氏はこう説明する。

「多くの物件情報を得られれば、借り手はその中で最適のものを選択できます。物件の数だけでなく、情報の詳細さも重要。物件情報の中身が薄ければ、借り手が実物の倉庫を見に行ってがっかりして帰ることもあります。こうした非効率を改善するために、当社はコーディネーター機能を担っています」

 イーソーコは日本最大級の物流不動産情報のポータルサイト「イーソーコ.com」を運営している。このサイトには3万件近くの物件が登録されており、一部を除いてその情報は公開されている。借り手と貸し手の間をつなぐ物流施設のマッチングサイトだ。

 イーソーコ.comを活用すれば、借り手は豊富な物件の中から要件に合致するものを選びやすい。一方の貸し手は、新たな荷主・テナントを見つけて資産の稼働率を高められる。

 このサイトの情報システムは、全国の40社にも提供されている。全国の各エリアで豊富な物件情報が登録されているのは、40社とのパートナーシップによるものだ。

「最近は登録数の増加が顕著です。特に、中小規模の倉庫の登録が増えています」と遠藤氏。この背景には、複数の倉庫を大規模倉庫に集約して効率化を図ろうという動きがある。