外資系企業はもとより日本企業でも、対外関係部署だけでなく企業全体で、
英語力を備えた人材が求められている。英語力習得に力を入れるビジネスパーソンが増え、社員のスキルアップを支援する企業も少なくない。その実情をキャリアアドバイザーの立花真美氏に聞いた。

リクルートキャリア
キャリアアドバイザー
立花真美氏

  「企業が社員などに求める英語力は、確かに高くなりました」と、リクルートキャリアの立花真美氏は切り出した。キャリアアドバイザーとして、企業側の求人事情をつぶさに見ての実感だという。

 「以前は、高度な英語力を求めるのは、外資系企業と海外営業や貿易などを営む一部の日本企業などに限られていました。それが日本企業の海外進出の増加に伴い、あらゆる部門で英語のできる人材を求めるようになったのです」 

 海外をフィールドとするマーケティングや営業職はもとより、海外の連結子会社を管理する経理や人事、総務部門、さらには企画部門などに至るまで、およそ企業のさまざまな部署で、英語を使う機会が生じる。しかも、求められるレベルは、より高度になった。

 「従来の読み書きメインというわけではなく、多様な英語スキルが求められます」と、立花氏。電話やメールでのコミュニケーションに加えて、会議やプレゼンテーションといった高度な実践力を身に付けていることが望ましいわけだ。

出典:「第26回転職世論調査」(リクルートキャリア調べ)
Webアンケート実施期間:2014年2月27日~ 3月4日
対象:転職を実現したビジネスパーソン1930人のうち回答者392人

ステップアップの
ベースとなる英語力

  このような実感は、データにも表れている。リクルートキャリアが2014年2月~3月に実施した「第26回転職世論調査」によると、転職を実現した人のほぼ半数が、英語力の有無で応募できる求人の数に違いがあると感じたと回答した(図1)。

 企業が中途採用者に求めるのは即戦力がほとんどであることを考えると、現在の職場では英語力を備えた人材が不足しているとみることができる。立花氏も「キャリアアップ、ステップアップを目指す人にとっては、職務経験はもちろんのこと、英語力も当然あった方がいいといった流れになっています」と、指摘。さらに「英語力が転職先選択の幅に影響する面もあります」とも語る。