勉強する教科の範囲を広げすぎない

大学受験のスタート時期に絶対すべきこと
大学受験のスタート時期に絶対すべきこととは?

 大学受験のスタート時期に親子が取るべき方針として、天童さんはまず第一に、「勉強する教科数を広げすぎないこと」を挙げます。特に注意したいのは、私立専願の場合。多教科を必要とする国公立大学の受験とは異なり、必要な教科は限られています。「勉強する教科を増やすと、かなり負担が重くなる」と天童さんは話します。また、併願校も第一志望と同じ教科で受験できるのが理想とのこと。

 一方、範囲を狭めすぎることにも注意が必要だという松田さん。「国語を現代文だけ」、「数学を1Aだけ」にするなど、教科内での範囲を狭めすぎると、受験できる大学がかなり減ってしまう可能性があるためです。「国語は少なくとも古文できれば漢文まで、数学も2B・Cまで勉強することで、より多くの選択肢を持てる」と天童さんも言及します。

現時点での模試の結果を重く見過ぎない

 天童さんが次に挙げるのは、現時点での模擬試験の結果を重視しすぎないことです。受験勉強を始めたばかりの時期は、理科や社会など範囲が終わっていない教科も多く、模試の判定だけで合否を判断することはできない、と強調します。

 この時期の偏差値や判定に振り回される必要はなく、模試の結果は「自分の立ち位置を知ること」「できていない部分を確認すること」に意味があると整理します。「判定を気にする時期としては10月ごろから」という考え方も示しています。

受験方法を指定校推薦一本だけに絞らない

 3つ目として天童さんは「指定校推薦一本に絞らないように」と助言。指定校推薦一本に絞って、もし取れなかったときは、選択肢が一気に狭まるためです

 総合型選抜や公募推薦の場合は併願ができ、複数の大学に挑戦できます。一方、「指定校一本で進める人は、総合型や一般受験の準備ができていないことも多い」と指摘。希望する指定校が取れなかった場合に他の大学の推薦を考えても、希望する学部や学科が残っているとは限らないのです。

 「総合型選抜や公募推薦も考えてほしい、一般受験の勉強もできればベスト」と天童さんは勧めています。

焦って併願校を決めようとしない

 4つ目のポイントは、「高校3年の4月や5月の時点で併願校を決めようとしないこと」だと天童さんはいいます。大学の受験要項が出るのは6月ごろ。4月5月の段階では、まだ大学の受験要項が出ておらず、日程もわからないのが大きな理由です。また、受験生の実力はこれから伸びる可能性があり、春の時期に併願校を決めても意味がない、と説明します。

 特に保護者の方は併願校を気にしがち。しかし、4月や5月にやるべきなのは、子どもが将来やりたいことや学びたい分野から、候補となる大学を探しておくことぐらいです。併願校を早々に決めるより、まずは第一志望に向けて学力を伸ばす時期だと天童さんは語ります。

参考書をしっかり理解できているかを確かめる

 天童さんは、「受験生が参考書をしっかり理解できているかという確認」を、保護者のやるべきことの5つ目に挙げます。最近は、参考書をメインに進める塾が多いものの、学習がちゃんと身についている人とそうではない人がいる、とのこと。参考書を一周するのと実力が身につくのは別の話です。

 たとえば、数学の問題集を一周したからといって、実際に解けるようになっていなければ意味がありません。解ける問題だけを解いたり、単に周回することが目的になっていたりすると、結果的に不合格となる恐れもあります

 特に、松田さんが確認したいという教科は、理解が重要とされる数学・理科・古文。天童さんは理解不足がある場合は、勉強法の変更も視野に入れた方がよい、とアドバイスしています。

まとめ

 大学受験のスタート時期である4月5月に取るべき指針が示されました。後悔や回り道を避けるための行動として、教科数や模試の捉え方、受験方法や併願校の考え方、勉強法など、5つのポイントを伝えています。教学舎のYoutube「【高校生の塾】きょうがくしゃch」で、続く後半の5つが紹介されています。(次ページに解説動画あり)