早稲田と慶應は学部構成や入試方式が異なる
早稲田大学と慶應義塾大学には、文学部や法学部、商学部、理工系学部など、共通する分野の学部があります。一方で、学部構成には違いもあります。早稲田には、文化や国際教養、政治経済を専門的に学ぶ文化構想学部、国際教養学部、政治経済学部があります。慶應には、政策や情報分野を横断的に学ぶ総合政策学部・環境情報学部のほか、医学部、薬学部、看護医療学部があります。
早稲田は文系学部の選択肢が幅広く、慶應は医療系学部を持つ点が、それぞれの特徴です。同じ分野を扱う学部でも、授業の組み方や必修科目は異なります。
入試方式にも違いがあります。早稲田では、大学入学共通テストと大学独自の試験を組み合わせる方式があります。慶應の一般選抜は学部ごとに試験科目が異なり、法学部などでは小論文が課されます。経済学部は2027年度以降の一般選抜で小論文を廃止する予定です。受験する年度の入試要項で、志望学部の科目と配点を確認しましょう。
政治経済学部と経済学部は数学の位置付けに違いがある
早稲田大学政治経済学部と慶應義塾大学経済学部では、卒業に必要な単位数や科目の構成が異なります。単位数だけで学習負担を比べるのではなく、必修科目や専門科目の内容も確認しましょう。
早稲田の政治経済学部では、政治・経済を学ぶうえで数学やデータ分析を重視しています。2027年度入学者からの新カリキュラムでは、「データ分析への誘い」を必修科目として設置するほか、より高度な数学を学ぶ「数学プログラム」も開設します。
一方、慶應義塾大学経済学部では、数学を使って受験するA方式と、地理歴史を使って受験するB方式があります。入学後の履修内容にも違いがあり、A方式では数学科目が必修です。B方式では数学科目は必修ではありませんが、統計学Ⅰ・Ⅱは必修で、数学科目を選ぶこともできます。
小林さんは、経済学の多くは微積分、線形代数、ベクトル、行列、多変数関数などの数学と結び付いていると説明します。経済史など、数学をあまり使わない分野もありますが、経済学を本格的に学ぶなら、数学にも取り組んでおきたいという見解です。
法学部は体系的に学ぶ早稲田と履修の幅がある慶應
早稲田大学法学部の卒業に必要な単位数は136単位です。法律科目を中心に学ぶ「法律主専攻」と、政治、経済、経営、文化などの分野を学ぶ「副専攻」の履修モデルが設けられています。憲法、民法、刑法などを学びながら、法律に関連する分野への理解も深められます。
慶應義塾大学法学部の卒業に必要な単位数も136単位です。履修する科目を自分の関心や目標に合わせて組み立てやすく、資格試験や法科大学院への進学を目指す学生は、目標に応じた学習計画を立てられます。
司法試験については、法科大学院別の合格率を見ると、慶應義塾大学法科大学院は2025年に50%で全国3位でした。ただし、これは法科大学院の受験者を対象にした数字です。学部の卒業生が全員、同じ大学の法科大学院へ進学するわけではないため、法科大学院の合格率だけで、学部の教育内容や実績を比べることはできません。
商学部は両大学とも統計・データ分析を学ぶ
早稲田大学商学部では、「経営」「会計」「マーケティング」「ファイナンス」「保険・リスクマネジメント」「ビジネス・エコノミクス」の6つのトラックを設けています。慶應義塾大学商学部では、「経営学」「会計学」「商業学」「経済・産業」の4つのフィールドから専門分野を学びます。
データ分析の学び方にも特徴があります。早稲田では、統計リテラシーやPythonによるデータ解析が必修科目です。慶應でも、「統計学基礎」が基礎必修科目に含まれています。さらに、実証分析手法などを学べるプログラムも用意されています。
両大学とも統計・データ分析を学びますが、必修科目の内容や専門科目の選択肢は異なります。データ分析をどこまで深く学びたいかも、志望学部を選ぶ際の比較ポイントです。
文学部は学べる領域と外国語教育に特徴がある
早稲田大学文学部では、文化構想学部と講義科目・外国語科目を共有する「ブリッジ科目」を履修できます。1年次に幅広い分野を学び、2年次から専門分野へ進みます。
慶應義塾大学文学部では、人文科学や社会科学に加えて、自然科学を含む幅広い分野の科目を履修できます。1年次に幅広く学んだ後、専攻に分かれて専門分野を深めます。
外国語教育にも違いがあります。早稲田では、1年次に基礎外国語を週4コマ履修します。一方、慶應では入学時に、英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、スペイン語、ロシア語、イタリア語から2言語を選び、必修語学科目として学びます。
どちらも語学を重視していますが、必修の言語数や授業の組み方は異なります。学びたい専攻で必要になる言語や、語学の授業数も確認しておきましょう。
理工系は学科の幅や入試科目、実験の内容を比べる
早稲田大学の基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部では、学科によって入試科目が異なります。理科は物理・化学・生物から選択する方式があり、建築学科では筆記試験に加えて鉛筆デッサンなどの空間表現も課されます。
一方、慶應義塾大学理工学部の一般選抜では、英語、数学、物理、化学が課されます。早稲田のように理科の選択肢があるかどうかは、両大学の入試方式の違いの一つです。
入学後の学び方にも違いがあります。早稲田の基幹理工学部では、1年次に学びの基礎を身に付け、2年次から進む学系を選びます。創造理工学部では技術者倫理や知的財産、論文の書き方なども学びます。先進理工学部では、入学時から学科に分かれて専門分野を学びます。慶應の理工学部では、入学時に選んだ学門に所属し、学びを進めながら学科を選びます。
慶應の理工学部には、文系分野と理系分野を横断する研究を行う研究室もあります。研究テーマによっては、理工学部に所属しながら人文・社会科学に関わるテーマを扱うこともできます。
実験科目の内容や授業時間は、学科や履修する科目によって異なります。卒業に必要な単位数だけでなく、実験の回数や授業時間も各学部のカリキュラムで確認しましょう。
サークル数や進級制度、キャンパスの立地が異なる
早稲田大学には約500の公認サークルがあり、慶應義塾大学では380以上の公認学生団体が活動しています。団体数だけでなく、興味のある分野の活動があるか、活動場所や頻度が自分に合うかも確認してみましょう。
進級制度は学部によって異なります。卒業に必要な単位を計画的に修得することに加え、学年ごとの進級条件が定められている学部もあります。志望学部の履修要項で、進級や卒業の要件を確認してください。
キャンパスの立地も大学生活に関わります。早稲田は早稲田・戸山・西早稲田など複数のキャンパスがあり、慶應も日吉、三田、湘南藤沢などにキャンパスがあります。通学先が学年や学部によって変わる場合もあるため、キャンパスの場所や移動についても調べておきましょう。
就職先の傾向だけで進学先を決める必要はない
大学の就職実績を見るときは、大学全体の数字だけでなく、学部別の進路や就職先を確認しましょう。進路は学部や本人の希望によって異なり、同じ大学でも幅広い業界へ進んでいます。
早稲田と慶應のどちらに進学しても、進路が大学名だけで決まるわけではありません。大学名だけでなく、学部ごとの就職先や自分が希望する進路を踏まえて判断することが大切です。
早稲田と慶應は学び方まで比較して選ぼう
早稲田と慶應には、学部構成や必修科目、履修の仕組み、入試方式などに違いがあります。数学やデータ分析をどのように学ぶか、語学や実験の授業にどのくらい時間をかけるかも、学部選びのポイントです。
偏差値や知名度だけでなく、志望学部のカリキュラムや自分が送りたい大学生活まで確認したうえで、自分に合う進学先を選びましょう。
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