早慶W合格者の58%が早稲田大学へ進学

 CASTDICE TVの動画「早慶W合格、早稲田が全勝の時代へ!」では、東進ハイスクールなどを運営する株式会社ナガセが公表した、2026年のダブル合格者の進学先データを解説しています。

 大学全体の比較では、早稲田大学を選んだ割合が58.0%、慶應義塾大学を選んだ割合が42.0%でした。調査対象となった早慶W合格者では、半数を超える受験生が早稲田大学へ進学しています。

 以前から早稲田が優勢だったわけではありません。2018年は早稲田が28.5%、慶應が71.5%でした。その後、早稲田の割合は低下した年もあるものの、おおむね上昇し、2025年に56.2%となって初めて慶應を上回りました。2026年は前年からさらに1.8ポイント上昇しています。

 2018年から2026年にかけて、早稲田の進学率は29.5ポイント上昇しました。動画では、この変化を手がかりに、入試制度や早慶を併願する受験生の変化を読み解いています。

2018年から2026年までの早慶W合格者の進学率の推移
動画で紹介された早慶W合格者の進学率の推移(2018~2026年)。引用:【2026 東進調査①】2026 年ダブル合格者の進学先分析 同系統学部比較 早慶で早稲田が「9戦全勝」大学全体でも、早稲田を選ぶ割合が8年連続で増加。その理由は?

学部別では早稲田が「9戦全勝」に

 動画のタイトルにある「全勝」は、同系統の学部を比較した結果を指しています。2026年は、比較対象となった9組すべてで、早稲田大学を選ぶ割合が慶應義塾大学を上回りました。

 特に差が大きかったのが、早稲田大学政治経済学部と慶應義塾大学法学部の組み合わせです。この調査対象では、W合格者の100.0%が早稲田の政治経済学部を選びました。また、早稲田大学政治経済学部と慶應義塾大学経済学部の比較でも、進学先の割合は90.0%対10.0%となっています。ただし、公表資料には組み合わせ別の調査人数は記載されていません。

 法学部同士の比較では、早稲田を選ぶ割合が2025年の41.7%から2026年の73.3%へと上昇し、調査開始以来初めて慶應を上回りました。文学部同士でも、早稲田の割合は50.0%から60.0%へと10ポイント上昇しています。

 一方、早稲田の文化構想学部と慶應の文学部の比較では、早稲田の割合が75.0%から62.5%に低下しました。理工系でも、早稲田の創造理工学部は上昇した一方、基幹理工学部と先進理工学部は低下しています。

2025年と2026年の早慶W合格者の学部別進学率
動画では2025年と2026年の学部別進学率を比較。2026年は比較対象の全9組で早稲田が慶應を上回った。引用:【2026 東進調査①】2026 年ダブル合格者の進学先分析 同系統学部比較 早慶で早稲田が「9戦全勝」大学全体でも、早稲田を選ぶ割合が8年連続で増加。その理由は?

早稲田の入試改革で何が変わったのか

 なぜ、早稲田を選ぶ割合が高まっているのでしょうか。動画で背景の一つとして取り上げられているのが、早稲田大学の入試改革です。

 政治経済学部は2021年度入試から大学入学共通テストを必須とし、私立大学の文系学部としては珍しく、数学も必須化しました。さらに、2025年度には社会科学部や人間科学部でも、共通テストを必須とする入試への変更などが行われています。

 ここで考えたいのは、入試科目が変われば、受験しやすい人も変わるという点です。共通テストや数学を必要とする方式が増えると、それらを勉強している国公立大学志望者にとっては、早稲田を併願先に組み込みやすくなります。

 一方、私立文系の科目に絞って勉強してきた受験生は、追加の対策が必要になる場合があります。動画では、こうした受験科目の違いが、早慶を併願する受験生の顔ぶれにも影響している可能性を考察しています。

 入試改革は、単に試験の内容を変えるだけではありません。どのような受験生が出願し、両大学に合格するのかにも関わる変化として捉えられます。

「誰がW合格しているのか」にも注目

 動画の考察で重要なのが、早慶W合格者の構成そのものが変わっているのではないか、という視点です。

 以前は私立文系専願の受験生でも、早稲田と慶應を併願し、両方に合格するケースがありました。しかし、早稲田で共通テストや数学を必要とする入試が増えると、同じ受験科目で併願できる選択肢は限られてきます。

 これに対し、東京大学や一橋大学、東京科学大学、京都大学などを目指す受験生は、国公立大学の入試に向けて共通テストや数学の対策をしています。そのため、早稲田の新しい入試制度にも対応しやすいのではないか、というのが動画で示されている見方です。

 つまり、現在のW合格者の進学先には、国公立大学を第一志望とする受験生の判断が、以前より強く反映されている可能性があります。

 また、出演者は、慶應の小論文や独自の出題形式に対応するには個別の準備が必要である一方、早稲田は国公立大学の受験勉強を生かしやすいのではないかと考察しています。

 早稲田の割合が上がった理由を考えるには、大学への評価だけでなく、「どのような受験生が早慶の両方を受け、合格しているのか」まで見る必要があります。

キャンパスや学べる分野も選択の理由に

 動画では、入試制度に加えて、入学後の学生生活や教育環境にも話題が広がります。受験しやすさだけでなく、合格後にどのような大学生活を送りたいかも、進学先を決める要素になるためです。

 紹介されている調査では、早稲田を選んだ学生から、4年間同じキャンパスで学べることや交通の利便性、留学生の多さ、学びたいことに取り組める環境、海外留学への希望などが理由として挙がっています。

 こうした声からは、大学名だけでなく、通学や留学、学習内容を具体的に考えて進学先を選んでいる様子がうかがえます。

 出演者も、早稲田で学べる分野の幅広さに触れ、生命科学や建築などを例に、教育・研究環境について考察しています。早慶という大学名の比較だけでは見えにくい、学部や専門分野ごとの違いも話題になっています。

 進学先を選ぶ際には、入試の難しさや大学のイメージに加え、「どこで、何を学び、どのように過ごしたいか」という視点も欠かせません。

早稲田大学のキャンパスや教育・研究環境について解説する様子
動画では、キャンパスの利便性や学べる分野など、入学後の環境についても考察している。

(次ページに解説動画あり)