安藤理恵子学院長
安藤理恵子学院長が、高等部の広報スタッフの生徒たちと座談会をしたときのこと。「この学校の魅力は何か?」という問いに、ある生徒が「この学校は挑戦できる学校だ」と答え、それに強い印象を受けたという。
「ありふれた言葉かもしれませんが、とてもうれしかった。友人に“一緒にやろう”と言われることで、挑戦する楽しさを知ったそうです。そして今は自分が“一緒にやろう”と人に話し掛ける側になっている、と。声を掛ければちゃんと応えてくれる、誰かに助けてもらえる、一緒に何かをすることができる。中高の思春期に、そうした信頼関係を体験することはすごく大事で、だからこそ頑張れる子に成長できると思うのです」
体育祭の創作ダンスで
信頼関係を築く
信頼関係をつくる良い機会となるのは、学年全体で取り組む学校行事だ。同校では、毎年4月に体育祭を開催する。個人で競い合う競技は少なく、グループで参加する競技が多いのが特徴だ。ハイライトは、高3の学年全員による創作ダンス。高2の後半の体育の授業は、この創作ダンスのために使う。後輩たちは先輩たちのダンスに感銘を受け、生徒の保護者もこの演目を楽しみに来場する。
「身体を使った気持ちの表現には照れや遠慮が伴うものですが、異性のいない女子校だからこそできる自己開示です。当日には、普段の礼拝では眠そうにしている生徒たちも、このときばかりは舞台裏で手をつなぎ、真剣に祈って本番に臨むのが伝統。ダンスが苦手な生徒も車いすの生徒も、分け隔てなく一緒になってダンスに参加する。こうした行事を通して人間同士の信頼関係が築かれ、大人になっていくのだと感じています」
同校では、有志が参加できる体験プログラムも多く、地元・自由が丘の商店街が催すフェスタや、被災地の人に仕えるボランティアキャンプ、学童保育実習や高齢者施設への訪問など、生徒たちが自由に参加し主体的に動ける機会をたくさん用意している。友人を誘って“一緒に体験する”ことができる。
入学時はおとなしかった生徒も、こうした学校行事や体験プログラムで人前に出る機会が多くなることで、より積極的になっていく。“これまではずっと人の後ろにいた”というような生徒が、信頼できる関係性の中で自分を表現できるようになる。
ミッションスクールとして、キリスト信仰の後押しもあると安藤学院長は指摘する。「総合科・人間学」の授業ではキリスト教の世界観に立ち、自分と隣人を愛することを学ぶ。「朝の礼拝では、“挑戦することで自分に与えられた力が見えてくる”“神がつくられた自分にはすでに可能性がある”という話をします。自分の可能性を信じることで、人生は豊かになる。信頼関係は、人と関わることでしか学べません。人との出会いを大切にして、自分は一人ではないと思える環境をつくる。それが、玉聖のこだわりです」。
