東邦大学付属東邦中学校・高等学校
坂井 眞校長

 2026年4月に就任した坂井眞校長は、同校で英語科の教諭として12年間勤務し「東邦が大好き」と頬を緩ませるほど、生徒と学校を誇りに感じている。

 他校を経て、東邦に着任した坂井校長。その際、授業の間の休み時間に生徒がのんびりと歩くことが気になったが、少し時間がたつと理由が分かったという。東邦の生徒は、余裕を持って次の授業の教室に移動するので、焦る必要がないのだ。

 東邦は、そんな真面目で穏やかな生徒が集まる、千葉県内屈指の進学校。成績でクラスを分けることもなく、どこかのんびりとした空気も漂う。それを坂井校長は、良い意味で「ぬるま湯」と表現。「熱湯では生物も死んでしまいますが、ぬるま湯は生物の活動が活発になる温度なのです」(坂井校長)。こうした穏やかな環境で生徒は伸び伸びと学業や課外活動に励み、興味・関心を深めていく。そんな青春を過ごした金井宣茂(のりしげ)宇宙飛行士も、同校の卒業生の一人だ。

「ぬるま湯」ではあるが、教員が生徒を甘やかすわけではない。6年間で自立を促し、行事は生徒主体。坂井校長は「東邦に来た最初の年、教え子たちがすぐ近くの大学でセンター試験(現・共通テスト)を受けるので私は応援に行ったのですが、他の教員は行かなかった。それは入試という人生を切り開いていく重要な局面に、自立して立ち向かわせるという本校教員の深い愛情だったのです」と語る。

音楽やスポーツを通じて
深まる異文化への理解

 坂井校長が東邦で長年力を入れて取り組んできたのが、「丁寧で深い」国際交流だ。いずれも中3・高1を対象として、夏休みにはオーストラリア、春休みにはシンガポールへの研修を実施。オーストラリア研修では、姉妹校での授業を受け、現地の生徒宅にホームステイ。姉妹校からは東邦の生徒宅へのホームステイも受け入れている。シンガポール研修では現地の友好校に3日間の体験入学をしたり、バディを組んだ現地校の生徒と共に街中で夕食を食べたりと、現地の学校だけでなく、生き生きとした社会を知る。

 時には楽器の演奏を披露し合ったり、共にサッカーをしたりと、文化やスポーツを通じた交流でも心を通わせる。坂井校長は「東邦の中にとどまらず、海外の同年代からも刺激を受け、自分が将来どのような社会貢献ができるかを考えてほしいと思っています」と語る。

 同校のルーツは1925年創立の帝国女子医学専門学校。建学の精神「自然・生命・人間」は時代を超えて大切にされ、中1~高2は創立者・額田晉(ぬかだすすむ)の著書を読み、心に感じたことを言葉にする。この経験を機に、自分が壮大な宇宙の中で生かされていることに思いをはせ、自身の使命を考える生徒も多いという。「学んだことを社会や人類のために生かしなさい」という創立者の教えは、授業や課外活動、さらには海外でも積極的に学びを深める生徒たちに、着実に受け継がれている。

オーストラリアやシンガポールの現地校は、いずれもハイレベルな学校だ。研修からの帰国後、英語で現地の生徒と連絡を取る東邦生も多い
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東邦大学付属東邦中学校・高等学校
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