城西大学附属城西中学・高等学校
神杉旨宣(むねのり)校長

 城西の建学の精神は「天分の伸長」「個性の尊重」「自発活動の尊重」。同校の教育プログラムは学力の向上とともに、これらの理念の実現を目指して構築されている。

 まず「天分の伸長」とは、生徒たちの才能や素質を伸ばすこと。「なるべく広いフィールドに出て、多様な体験をすることが大切」と話すのは、神杉旨宣(むねのり)校長だ。

 国際交流の歴史は長く、欧米など8カ国にある16の姉妹校・提携校から毎年多くの留学生を迎え入れている。留学生との交流は、生徒たちにとって大きな刺激であり、城西の魅力の一つでもある。「以前、私が担任したクラスにニュージーランドの留学生がいましたが、彼はどんな場面でも臆さず意見を言って周りを納得させ、巻き込んでいくパワーがありました。同じクラスの本校の生徒たちも触発されて、次第に活発に意見を言い合うようになり、強い信頼が生まれ、団結したとてもいいクラスになりました。1人の留学生と出会うだけでこんなに変わるわけですから、海外に行って得られるものは非常に大きいと思います。本校では中3で全員が2週間のオーストラリア海外研修に行きますが、海外体験を通して視野を広げ、天分を伸ばすきっかけをつかんでほしいと思っています」(神杉校長)。

探究活動のプロセスで
進む他者理解

「個性の尊重」とは、他者の個性を認め、尊重し合うことを意味する。創立以来重視する探究活動を通じて、その境地を目指す。例えば、企業や大学など外部団体と連携した取り組みを行う「αゼミ」では、東日本大震災の被災地を訪問。「震災の爪痕が生々しく残る現場を見ても目を覆わず、これから何ができるかを考える頼もしい生徒たちの姿が印象的でした」(神杉校長)。また、フードロスをテーマにした別のグループは立教大学と連携して、大阪・関西万博でワークショップを開催するなど、活動は多岐にわたる。高1を対象とした「BEYOND」は、外部の専門家を招聘して開く12のゼミの中から、各自で興味・関心があるものを選択する。深刻な社会課題のような“解のない問題”も多い。「他者と協働してそれらの問いに挑む中では、衝突もありますが、切磋琢磨しながら探究を深める。こうしたプロセスが自らの個性を磨き、他者の個性をも認める精神を育てます」(神杉校長)。

 そして三つ目の「自発活動の尊重」では、この理念を反映し、主要行事を生徒主体で行うなど、城西では生徒が責任を持って学校自治に関わっている。

「やらされているという気持ちのままでは、なかなか力は身に付きません。自分で考え、自分で選び、自分の意志で一歩を踏み出してほしいと思っています。うまくいくこともあれば、失敗することもありますが、その一つ一つを経験として積み重ねていくことが、自発的に学ぶ力につながります。学校はその挑戦を温かく支える場所であり続けたいと思います」(神杉校長)

中3では希望者だけでなく、全員が2週間のオーストラリア海外研修へ。ホームステイをしながら現地校へ通い、異文化交流を実践する
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