藤井亮太朗高校教頭
インターナショナルスクールとの交流をはじめとするグローバル教育と、6年間かけてじっくりと取り組む探究活動の二つを、教育の大きな柱とする文京学院大学女子中学校高等学校。
特に探究活動については、文部科学省から2024年度、「DXハイスクール」に採択されたことで、DXの知見を生かした探究的な学びが進んでいる。
25年夏には「情報Ⅱ」の授業を履修する高校生が、文京学院大学で開催された、社会課題を解決するスマホアプリのアイデアを出し合うイベントに参加した。班ごとに「オーバーツーリズム」「地域格差」などの課題に対して、アプリを活用した解決策を立案。デザインツール「Figma」を用いてアプリの画面もデザインした。
参加した生徒たちは、アプリの顧客モデルや具体的な機能をじっくりと検討。例えば、オーバーツーリズムについて考えた班は「アプリで観光地の混雑状況が分かり、すいている場所を回りやすくなれば、観光客の過密を緩和できる」というアイデアを発表した。
「中学時代から学んでいる探究の方法に、情報Ⅱで学んだDXやICTの知見を掛け合わせて、自分の考えを形にし、表現していってほしいと思います」と佐藤泰正高校副校長は期待する。
DXと結び付いた探究で
進路選択の幅にも広がり
これまで同校が力を入れてきた探究活動にDXが結び付いたことにより、生徒たちの進路選択にも変化が出てきている。
同校は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されていたこともあり、高1~3の理数キャリアコースの生徒は、科学分野の探究に取り組み、自身の関心に沿った進路選択をしてきた。そして最近では文系の生徒もデータサイエンスを学ぶことで、文理横断的な学問にも関心を向け、より広い視野から大学・学部を選ぶようになっているという。
25年度に着任した藤井亮太朗高校教頭は「探究を通じて、自ら考え、材料を集め、納得して進路を判断・選択する生徒が増えました」と手応えを語る。
藤井教頭から見て同校の生徒は「『好き』を究めている」。最近では「カップラーメンが一番おいしくなる待ち時間は、本当に3分間か」「自分の好きなアイドルグループは、どんなマーケティングをしてファンを獲得しているのか」といった身近な「好き」をテーマに、データサイエンスの手法を用いてとことん分析を深めた生徒たちがいた。
「“なんとなく好き”だったカップラーメンやアイドルの、隠された魅力や戦略まで見えるようになり、今は、気付けば楽しむ前に分析してしまうようです」と藤井教頭は笑う。
そんなハイレベルな探究内容は下級生の刺激に。中には、高校生に情報収集や分析の方法を聞きに行く中学生もいるという。
自らの「好き」を起点に、DXの知見を生かして探究を深める生徒たち。そのバトンは着実につながっているようだ。
3Dプリンターやレーザーカッターが並ぶDX-Station。思い描いたものをすぐに形にできるデジタルハンズオンの環境。アイデアが“実物”になるDX空間だ
※デジタルトランスフォーメーション
