田中尚子校長
田中尚子校長は2026年3月、就任以来3年間にわたり校長として見守ってきた卒業生を笑顔で送り出した。この学年は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった直後に中学に入学。長期間の自宅学習、行事の中止といった状況が続き、高校になって、徐々に探究活動などの機会が与えられるという日々を過ごしてきた。
「卒業式で、卒業生代表が、『マイナスから始まった状況を、皆でプラスに変えようと挑戦し続けてきたことで成長できた』と話してくれました。『未知のことに挑戦を』というメッセージがきちんと届いていたのだと感じ、大変うれしく思いました」(田中校長)
田中校長が折に触れ生徒に伝えてきたことに「失敗しない方法」というのがある。それは、「何もしない」「できることしかしない」「言われたことしかしない」だ。でも、「それだと面白くない。だから失敗をしても未来を創る挑戦をしよう」と、呼び掛けてきた。生徒にはそうした経験を積んでほしいと、この3年間一貫して「グローバル教育」「サイエンス教育」「秀英アカデミア(探究的な学び)」の拡充を進めてきた。目指すのは、自ら考え挑戦していく「自律した自己」と次世代を担うにふさわしい能力を持った「グローバル・サイエンスリーダー」の育成だ。
賞を逃した悔しさを糧に
さらなる探究で飛躍
グローバル教育では、隣接する神田外語大学との連携授業を充実。継続的に参加してきた卒業生は、英国の大学への進学が決まった。さらに、米国、マレーシア、英国、カナダなどへの海外研修も豊富に用意。研修ごとに「ケンブリッジ大学研修」「Google本社・スタンフォード大学訪問」「現地大学の教員との科学実験」「ホームステイ」などのテーマがあり、生徒たちは自身の関心に合わせて海外での学びを深める。
サイエンス教育では25年度から、理系選択の高2を対象に理科、数学、情報の教科横断授業「理数探究授業」を実施。年度末のグループや個人のポスター発表では、「より長い時間コマを回すためには」「水の種類によって髪のダメージは変わるのか」などの研究が並んだ。
そして「秀英アカデミア」では、年15回程度、外部講師による講座を実施。テーマは「アントレプレナーシップ」「法医学の世界」など幅広い。そのほか、高校生のグループでの探究活動も後押し。優れた研究テーマのグループには活動費を与え、文化祭では校長賞も決めている。
「昨年、校長賞を取れなかったグループはとても悔しがっていましたが、それをバネにさらに探究を進め、外部のコンテストで賞を頂きました。グループで探究するからこそ助け合ったり、自分にはない視点を得られたりと、学びが深まっていくようです」(田中校長)
挑戦できる環境を整えてきたことで、生徒たちは失敗も糧にしながら、さまざまなことに果敢に挑戦。それぞれの可能性を着実に広げている。
昭和学院 秀英中学校・高等学校
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