演習中心で進む授業
エルカミノは、演習を中心とした授業を行う。一般的に塾の授業はテキストを読んで例題を解いてくる予習型か、授業で学んだことを宿題で身につけていく復習型かに分かれる。エルカミノの場合、まず、講師がその日学ぶ内容を説明し、それから生徒が問題を解く。講師は生徒が問題に取り組む様子を見て回り、適切にアドバイスをしていく。
この問題を解く時間では、「解き終わった子を待たせない」のも特徴だ。解くスピードが速い生徒はどんどんと次の問題に取り組んでいく。最後に解説をし、生徒は問題が解けるようになってから帰宅をする。
エルカミノの授業は少人数制で15人以内がほとんどだ。高学年で人数が多くなる場合はクラス分けをし、別々に授業をする。また、授業では頻出の分野を重点的に指導していく。たとえば、算数の植木算や和差算などは今、中学入試ではほとんど出題されない。そういった分野は基礎的な内容のみの学習にとどめ、速さや平面図形などの頻出分野に時間を割いていく。
算数の授業ではひとつの問題に対して複数の解法で教え、問題を多角的な視点で見ていくことを指導し、それにより難関校で出題される問題に取り組めるようにしていく。
低学年は先取りをしない
小学1年から小学3年までの低学年クラスでは、中学受験の先取りをしない。算数の授業では算数パズルをさせ、国語では読解をする。
算数のパズルは数感覚を鍛えるものや図形などの問題を出していく。最初にパズルの解き方のルールを説明し、実際に解かせていく。生徒はプリントにどんどん数字を書き込み、消し、また書いていくという作業を繰り返していく。
国語は1冊の本を教材として与える。たとえば、小学1年生では『おじいちゃんがおばけになったわけ』(あすなろ書房)を教材とし、それを読んで、プリントの問題を解いていく。
物語文やエッセイ、百人一首も題材としてとりあげる。国語の課題も大手塾が扱うものより難易度が高く、ふりがながあるものの漢字が混じった文章を小学1年から読んでいく。
音読も重視し、助詞や助動詞の発音をしっかりとさせ、文節の区切りまで意識させた読み方をさせていく。音読こそ読解力につながるという方針だ。
もう一つは百人一首や物語文を読ませ、歌を詠んだ人や登場人物の気持ちを想像させ、心情描写や情景描写を読解していく訓練をする。
「週に1日、算数35分、国語35分の授業で習い事感覚で通っていただけます」(古庄歩 副代表取締役)
家庭での学習は漢字や計算ドリルが中心で保護者の負担が大きくなりにくい。
「小学3年の末までに小数点を含む四則計算を身につけることを目標にしています」(古庄さん)
国語の時間に世界遺産について学び、地理や歴史についても触れていく。低学年で触れていくと、その後の学習の効率が違ってくる。
小3で進級テストを実施
エルカミノでは、低学年の入塾テストはないが、小学3年の10月に進級テストがある。一度、残念な結果になっても再試験が受けられる。
進級テストは、事前に出された課題を学習すれば合格できる内容になっている。小学4年以降の授業や宿題に対応できるかを確認する試験であり、学力が高い生徒を選抜するという趣旨ではない。小学4年以降の生徒の多くが低学年からエルカミノに通っている。私立や国立の小学校から内部進学をする予定の生徒のための内進コースと中学受験を目指すコースがあるが、低学年では学ぶ内容に差はない。
講師は経験者の社会人が中心
エルカミノの講師は経験者の社会人が中心だ。採用試験ではペーパーテストのほか、指定教材で模擬授業をおこない、指導スキルを確認している。
「講師と生徒の関係はフラットですが友達感覚にはならないようにしています。生徒との距離感を調整できる講師を採用しています」(古庄さん)
あくまでも講師は指導をする立場である。少人数制の授業が中心ということもあり、学級崩壊はしにくい。また、研修は月に1度、「指導研究会」をオンライン会議形式で行い、どの講師が担当しても同じ授業ができるようにしている。
算数・国語はオリジナル教材
基本は、算数と国語はオリジナルテキストで、理科と社会は四谷大塚の予習シリーズだ。エルカミノは、算数の作問では定評がある塾で、算数のテキストのクオリティが高いことで知られる。それ以外にも、理科や社会でオリジナル教材も使用していく。
また、様々な教材を取り入れていく。たとえば、小学6年の算数では最上位生には『中学への算数』(東京出版)、上位から中堅層にはエデュケーショナルネットワークの教材も使用していく。教材の採用に制限がなく、生徒に合ったものを使って学習をさせていく。
算数重視のカリキュラム
大手塾は小学3年から理科や社会の知識を覚えさせるようになってきているが、エルカミノは算数の指導に重きを置く。小学4年の理科と社会の授業は週に40分(国語と算数は90分)。小学5年以降の授業を受けるのに必要になる基礎的な知識のみを学習する。たとえば、電球の直列と並列の違いなどだ。社会も白地図を使い、都道府県の位置を覚えていく。小学5年も基本的に算数がメイン。家庭学習の量は算数5、国語3、社会1、理科1。
理科と社会の知識を覚えていくのは小学6年の12月以降だという。秋までは算数を優先して学んでいく。
中学受験は算数が最も強く合否に影響を与え、論理的な思考力を鍛えるのに大切な科目のため、算数を優先して学習させるカリキュラム、これがエルカミノの独自性である。
また、授業が4回行われると、次の週は「総合回」という復習授業になる。その次の週に総合テストがある。
最難関校向けの筑駒算数講座
「筑駒算数講座筑駒算数講座」は、外部生も受講できる算数の講座だ。筑波駒場、開成、桜蔭を目指す生徒たちが集まる首都圏の中学受験の最高峰の算数講座だ。大手塾の算数に「簡単すぎるからもっと手応えがある問題に取り組みたい」という生徒も集まる。
オリジナルテキストを使用し、テスト形式の授業で、まず問題を解き、その場で添削し、講師による解説を受けて解き直しをさせる。1回80分×2コマ、1年で全92コマ。
エルカミノに合う生徒と合わない生徒
「算数が苦手な生徒を算数好きにするための塾ではありません。算数が好きな生徒がさらに算数を楽しむための塾です」(古庄さん)
元々、算数に適性がある生徒の能力を伸ばすための塾だ。そのため、現時点で「勉強が得意ではない」「算数が苦手だからどうにかしたい」という場合、合わないこともあろう。
エルカミノの基本データ
| 校舎数 | 14校 |
|---|---|
| 生徒数 | 約2000人 |
| 授業料 |
1~3年:16,610円(税込)/月 ・受験コース:31,900円(税込)/月 ・受験コース:55,000円(税込)/月 ・受験コース:57,200円(税込)/月
ほか、入塾金・光熱費・教材費(小6後期のみ)がかかる。 |
| 自習室の有無 | なし。小6後期から自習による教室使用可能 |
| 質問対応 | 授業前後で対応可能 |
| 授業の生徒数 | 15人前後 |
| 生徒の男女比 | 7:3 |

