座談会に参加した3人の保護者

 Aさん 夫婦ともに医療関係者。息子は希学園から灘中を受験し、残念ながら不合格。第二志望校に進学。

 Bさん パート勤務。娘は浜学園に通い、難関女子校を志望。長男は公立小学校から公立の難関高校に進学。

 Cさん 娘が日能研に通塾中。本人の希望で共学校を目指している。

公立高校受験の経験から、中学受験を選んだ家庭も

 司会 まず、中学受験をさせようと思ったきっかけを教えてください。

 Aさん うちは息子を医師にしたいという思いがありました。医学部受験を目指すなら、中高一貫校の方が効率がいいと考えたんです。やんちゃ坊主でもあるので、公立中学で内申点を取れるか心配だったこともあります。

 ただ、最初から灘を目指していたわけではありません。近所の小さな塾に通わせていたのですが、模試の偏差値がぐんぐん上がってきたので、思い切って希学園に転塾させました。

 Bさん 私の場合、長男の公立高校受験がとにかく大変だったんです。内申点も必要ですし、受験に向けて英検も受けたりしました。塾代もそれなりにかかりました。

 それなら娘は中学受験で中高一貫校に入ってもらおうと思い、浜学園を選びました。しっかり勉強させてくれる学校ということで四天王寺を希望していますが、どうなることやら(笑)。

 Cさん 私自身が女子校出身で、あの雰囲気がすごくよかったので、娘にも同じ経験をさせたいと思っていました。ただ、娘本人は共学希望なので、私の母校とは違う道になりそうです。白陵などに受かってくれたらうれしいですね。

浜学園・希学園は灘中対策に強い。でも女子には難しすぎる?

灘中学校 出典:PIXTA
灘中学校 出典:PIXTA

 司会 浜学園や希学園というと、灘中対策のイメージが強いですが、実際はいかがですか。

 Aさん うちはまさに灘を目指すことになったので希学園に転塾しました。でも6年生になると、宿題のレベルが一気に上がってしまって。

 最初は「私が分からないだけなのかな」と思ったのですが、国立大学の医学部出身の夫が見ても「これは難しい」と言っていました。ただ、希学園は面倒見が手厚く、分からない問題は塾で丁寧にフォローしてもらえたので助かりました。

 Bさん 浜学園は、校舎によってサービスに違いがあるように感じます。うちが通っている校舎はそれほど規模が大きくなく、結果的に娘が一番上のクラスに入ってしまって。

 灘を本気で目指す子たちと同じ授業を受けることになり、正直かなり大変です。質問対応も、うちの校舎ではそこまで手厚くないですね。宿題の解説は映像で見る形式ですが、それでも分からない問題は残ります。

 Cさん 日能研は灘特進コースが本科とは別に用意されているので、その点がいいと思って入塾させました。

 浜学園や希学園は、上位クラスになるほど灘を意識した内容が入ってくる印象があります。それだと、灘を受験しない女の子には難しすぎる場合もあるのかなと。

 うちの子は日能研では上位クラスにいますが、宿題は私でも分かる内容です。以前、成績が上がって西大和を狙うことになった子がいましたが、その子は浜学園に転塾していましたね。

「面倒見」は塾だけでなく校舎によっても違う?

 司会 関西の塾には「面倒見が手厚い」というイメージもあります。実際はどうでしょうか。

 Bさん 本当に校舎によると思います。浜学園は校舎数が多いので、家から近い教室を選べるのは大きなメリットです。送り迎えの負担が少ないのは助かります。

 「もしかしたら灘や西大和学園に入れるかも」という夢を見ながら、とりあえず浜学園に入れる家庭も多いように感じます。ただ、本気で灘を狙う子は6年生になると希学園に移っていく、という話も聞きます。

 Aさん 実際、6年生になった途端、浜学園から希学園に成績のいい子たちが入ってきて、うちの子のクラスが一つ下がりました。

 「灘を目指すなら浜学園でもいいのに」と思うんですけどね。浜学園はテキストもすごくよくできていると思います。

 Bさん 面倒見という点では、希学園は手厚いという話をよく聞きます。浜学園だと家庭教師を利用している家庭もありますが、「希学園なら塾のフォローだけで進められた」という声も聞きます。

 Aさん 希学園は授業料が高いと言われますが、家庭教師代まで含めて考えると、かえって安く済むケースもあるのかもしれません。日能研はどうですか。

 Cさん 日能研も面倒見はいいと思います。分からない問題があれば、大学生のチューターが個別に教えてくれます。

 うちの子は平面図形が苦手なのですが、校舎長に相談したら専用の課題を出してくれて、ノートも丁寧にチェックしてもらえました。

 面談も細やかで、子どもの学習面だけでなく、親の相談にも乗ってくれました。塾と保護者、子どもが三位一体になって受験に向かうような感覚がありますね。

「三位一体」の関西と、親のサポートが大きい東京

 司会 関西の中学受験では「三位一体」という言葉を耳にすることがあります。塾・保護者・子どもが一体となって受験に臨む、という考え方ですね。

 Cさん 姉が東京に住んでいるのですが、東京の中学受験は保護者の頑張りがすごいですよね。SAPIXやグノーブルに通わせながら、隣で宿題を見たり、個別指導も利用したりして。

 姉もかなり頑張って、子どもを御三家に合格させていました。私の周りを見る限りでは、関西はそこまで親が手取り足取りする感じではないと思います。

 Bさん 個別指導に通っている子も、私の周りではそこまで多くない印象です。

 うちは正直、娘が塾の進度についていくのが大変になってきたので、転塾も検討しています。女子が灘対策を意識した難しい授業に入ると、なかなかしんどいですよね。

 Aさん 6年生になると、灘対策のレベルに対応できる個別指導や家庭教師の先生自体が限られてきます。

 灘中出身で、会社員をしながら週末だけ家庭教師をしている人がいるのですが、早めに予約しないと6年生の枠は埋まってしまうと聞きました。

 最初から「何が何でも灘に入れる」という家庭では、低学年のうちから灘対策のできる家庭教師を探しているケースもあるようです。

 うちはそこまでできず、結局、灘には届きませんでした。でも本人は今の学校に楽しそうに通っていて、灘を受けたことすら、もうすっかり忘れているような様子です。

 Bさん うちの子もどの学校に進むか分かりませんが、本人が楽しく通えるなら、それが一番だと思います。

 Cさん 女子校志望だと受験できる学校が多いのはうらやましいです。魅力的な女子校がたくさんありますから。

 うちは共学志望なので、どうしても受けられる学校が限られてしまうんですよね。今日は他塾に通う子どもの保護者とお話しできてよかったです。

 司会 みなさま、ありがとうございました。

関西ママの座談会を終えて

 今回の座談会では、浜学園・希学園・日能研という異なる塾に子どもを通わせる保護者から、関西の中学受験や塾選びについてさまざまな声が聞かれた。

 特に印象的だったのは、灘中をはじめとする最難関校対策が、受験校だけでなく、上位クラスの授業内容や転塾の判断にも影響しているという点だ。

 一方で、同じ塾でも校舎によってフォロー体制の感じ方は異なり、家庭が求めるサポートや志望校によっても適した塾は変わる。

 最難関校を目指すことだけでなく、子どもが無理なく学び、進学後も楽しく学校生活を送れるか。3人の話からは、塾選びや志望校選びを考えるうえで、偏差値だけでは測れない視点も見えてきた。

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