座談会に参加した3人の大学生
Aさん 慶應大学法学部FIT入試のA方式・B方式の両方に合格。A方式は出願要件に評定平均値がない、B方式は評定平均値4.0以上が出願。中高一貫の難関高校出身。早稲田塾に通っていた。
Bさん 慶應大学文学部総合型選抜に合格。中高一貫の中堅女子校出身(四谷大塚偏差値50)。一般選抜対策のために河合塾に通っていた。推薦対策の塾はなし。
Cさん 高校受験で中堅私立へ進学。高校の先生の勧めで慶應大学SFC総合型選抜に合格。塾はなし。
一般選抜の前に、もう一度慶應へ挑戦できる
司会 まずは総合型選抜を目指した理由を教えてください。
Aさん 一般選抜の前に、ワンモアチャンスがあるのはいいと思いました。学校の勉強をしていれば一般選抜対策はできるので、高校3年から(総合型選抜に特化した)早稲田塾に通いました。英検は2級ですが、IELTSで準1級相当のスコアをとりました。
Bさん 私は指定校推薦をとりたかったんですが、無理そうだったので総合型選抜を受けました。英検準1級を高3の夏にとりました。
Cさん みなさんと違って、もっと難易度の低い高校です。その高校は一般選抜では早慶上智の合格実績はほぼゼロですが、総合型選抜だと毎年合格者が出ます。指定校推薦をとるつもりでしたが、先生に「英検準1級をとれば、総合型選抜なら慶應や上智を狙えるよ。一緒に頑張ろう」と薦められて受験しました。
指定校推薦で早慶に進むのは「学年トップクラス」?
司会 Bさんは指定校推薦をとろうとしたということは、評定がかなり高かったのでは?
Bさん いや、それほど高くはなく、4.6でした。これだと足りないですよ。慶應の指定校推薦は学年トップクラスの子がとっていく感じです。
Cさん Bさんの高校は東大合格も出てますよね。そこでトップクラスってすごいですね。私の高校とか東大合格なんていないから、レベル感が分かりません。
Aさん 私の高校でも、指定校推薦で早慶に行くのは東大に受かるレベルの子でした。親が弁護士の子で、東大専門塾に通っていた子もいました。そこで「共通テストで9割とれ」と言われて嫌になっちゃって、指定校推薦で早稲田に進学していました。
一般選抜で早稲田に受かった子たちより、ずっと勉強できますよ。そんな世界線なので、私は指定校推薦は考えたこともありませんでした。
Cさん 私の高校には早慶の指定校はこなかったのでレベル感が分からなかったんですが、そんなに難しいんですね。
司会 指定校推薦というと楽なイメージを持つ人もいますが、全く違うんですね。
Aさん うちの高校は、上智の指定校があまるんですが、求められる評定をクリアしている子は国立か医学部、最低でも早慶志望なのでとらないんです。私は上智の指定校なら取りたかったですが、評定が足りなくて(笑)、慶應の総合型選抜を受けました。
Bさん 評定はどのぐらいだったんですか?
Aさん 4.0です。
Cさん すごい。難関校だと4.0で慶應の総合型選抜に通るんですね。しかもA方式もB方式も両方でしょ?Aさんの高校で評定平均値って、めちゃくちゃ頭いいんですよねえ。うちの高校は真面目にやっていれば、4.0はとれたと思いますね。
総合型選抜への学校のサポートはさまざま
司会 対策はどんなことをされたんですか。
Aさん 早稲田塾で志望理由書を作る対策をしました。私は女子校だったので、男子と一緒にグループワークやったり、共学の女子と友達になれたりして楽しかったです。
Bさん 私は一般選抜対策の予備校に通っていて、推薦塾には通っていません。文学部の総合型選抜は英語と小論文重視で、志望理由書はそこまで気合いを入れなくていいので。
Cさん 学校で指導してもらいました。塾に通う必要はないと言われて。大学で使う入門書を読んだり、論文を読んだりしました。先生が親身になってくれたので感謝しています。
Bさん すごいですね。うちなんて「総合型選抜はやめなさい」って言われて、なにもしてもらえませんでしたよ。
Aさん うちもそうですよ。だからみんな早稲田塾に行くんです。学校はなんにもしてくれない。
Cさん お二人の高校なら、一般選抜で早慶に行けるからですよ。
Bさん 確かに高校の先生も日々、「一般選抜に絞った方が合格しやすい」とは言っていました。
Aさん うちも先生はそう言ってました。でも、生徒は早く合格を決めたいから総合型選抜受けますよね。年末年始に遊びたいし(笑)。
ただ、評定が高くない子や英検準1級がない子は、総合型選抜で慶應や立教、中央は通りにくいですよね。総合型選抜が不合格で、一般選抜で慶應に受かった子もいましたよ。
慶應の総合型選抜は「評定が高い子」が受かりやすい?
司会 やはり評定平均値が重要なんですね。
Bさん 同級生が推薦対策の塾に通っていました。そこで「出願要件の評定平均値より高ければ、合否には評定は関係ない」と言っていたそうですが、結果を見ると違いますよね。
慶應の文学部も、評定が高い子が受かって、学力が高くても評定が低いと残念な結果でした。私より英語できる子が受からなくて驚きましたけれど、結局、「評定なんだな」と。
Aさん 早稲田の国際教養と慶應の文学部の総合型選抜は、英語の問題が難しすぎてみんな解けないから差がつかない。そうなると、評定平均値で合否が決まると聞きました。
Cさん 他の学部も評定なんじゃないですか。SFCは評定関係ないって言うけど、実際には評定が高い子じゃないと高校の先生が受験を許してくれない雰囲気がありました。
Bさん 同級生は評定が低いけれど、SFCに合格していました。探究学習のコンテストで賞をとっているような子。「あの子が慶應? ずるい!」みたいな感じでしたね。Cさんは活動実績あったんですか?
Cさん 全然ですよ(笑)。部活はやっていましたが、強くもなかったですしね。高校受験で都立高校に不合格になって、併願の私立のコースに進学しました。
入学の段階で「推薦・総合型選抜で大学へ行きたいなら、評定平均値を上げないと駄目だ」と釘を差されたので、真面目に勉強していました。
あの高校だから4.8がとれたし、面倒見いいから塾なしで受験できたし、今考えると都立不合格で良かったかも。先生の指導に沿って、本を読んだり、論文を読んだりして志望理由書を仕上げました。
Bさん 私もそう思います。中学受験で豊島岡や洗足を受けて駄目だったんですが、進学した先できちんとやって高い評定がとれたから、総合型選抜に受かったと思います。
司会 地道な努力が実を結んだわけですね。今日はありがとうございました。
慶應大学の総合型選抜合格者座談会を終えて
3人とも、探究学習のコンテストやボランティア委員など、目立った活動実績があったわけではない。一方で、高校時代は真面目に勉強し、それぞれ評定や英語資格、学力を積み上げていた。
Aさんは英検2級に加えてIELTSで準1級相当のスコアを取得し、Bさんは英検準1級を取得している。Cさんも高校で高い評定を維持しながら、先生の指導を受けて志望理由書などの準備を進めた。
総合型選抜だからといって、学校での成績や日々の学習が重要でないわけではない。3人の話からは、高校生活の中で積み重ねてきたものが、総合型選抜の受験にもつながっていたことがうかがえる。
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