ソフトバンクグループは、資金繰りに苦しんでいる米シェアオフィス大手ウィーワークの経営権を取得することで同社取締役会の承認を得た。共同創業者のアダム・ニューマン氏は取締役を退任し、ほぼ17億ドル(約1850億円)を手にする見通しだ。複数の関係者によれば、ウィーワークは前日を期限にして、JPモルガン・チェースとソフトバンクに救済案の提示を求めていたが、ソフトバンクの提案を選んだ。この取引では、ウィーワークの企業価値は約80億ドルと評価されたもようで、今年予定していた新規株式公開(IPO)の評価額や、1月のソフトバンク出資時の470億ドルを大きく下回ることになる。ソフトバンクは取引の一環として、ニューマン氏からウィーワーク親会社ウィーの株式10億ドル近くを取得する。ソフトバンクはニューマン氏に対し、JPモルガンが主導する融資の返済費用として約5億ドルの信用を供与するほか、コンサルティング料として約1億8500万ドルを支払う。ニューマン氏はウィーの会長にとどまっているが、取締役は辞任する見込みだ。