「人望の厚い上司」が部下に仕事を頼むとき、絶対に使わない言葉とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「人望がある」と言われる人とそうでない人の違いはなんだろうか。北海道新聞の人気コラムの著者である平岡祥孝氏は「いい人なだけでは人望に結びつかない」と話す。部下に信頼され、尊敬されるような人望を集めるには、どうすればよいのだろうか。※本稿は、平岡祥孝『組織と仲間をこわす人、乱す人、活かす人 仕事は必ず誰かが見ている』(PHP新書)の一部を抜粋・編集したものです。

「人望」を獲得するためには
謙虚さと律儀さを忘れないこと

 かつて職場を共にしていた大学教員の友人らと会食する機会がありました。そのときの話題の1つが「人望とは何か」でした。それぞれが年齢を重ねてきているので、各自の教員経験を踏まえた持論の披瀝(ひれき)は興味深いものでした。

 今では古語とも死語ともなった感のある「人望」について、私の恥多き教員生活を振り返り、「人望論〈暴論編〉」を述べさせていただきます。

 そもそも人望に基準などあるのでしょうか。例えば、中国史で有名な、項羽を破って漢王朝を開いた劉邦の逸話を読んだり聞いたりしても、人望は身に付きません。

 あくまでも私の独断と偏見ですが、人望は天賦の才能などではなく、言動や態度に細心の注意を払い、人に誠意を持って丁寧に接していけば、自然と身に付けることができる人間力です。

 もちろんそのためには、試行錯誤の長い道を自分の歩幅で歩んでいく必要があるでしょう。ですが、意識して謙虚に学んでいく姿勢とともに、律儀さを忘れずに実践していくことを通して、人望は獲得できるのではないでしょうか。