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学生の答案に見る金融リテラシーの問題点

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第314回】 2014年1月29日
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金融資産運用論の試験結果は?
筆者が教える学生の金融リテラシー

 筆者は、4年前から獨協大学で「金融資産運用論」と題して、学生にお金の運用方法について伝える授業を持っている。この授業は、半年(15コマ)を単位として、週に一度、1年生から4年生までの学部生を対象に行っている。教室は400人くらいは入ろうかと思われる大教室だ。

 この授業は、学生を鍛えるということよりも、少しでもいいからお金の問題について考える手がかりを持ってほしいという、偉そうな言い方で恐縮だが「啓蒙」を目的に行っており、単位認定は極めて「優しく」行っている(別のコマで、もっと深く投資を考える「普通の」授業も持っている)。

 期末になったので、先日、試験を行った。以下は、試験問題の中の一題なのだが、読者にも少々考えてみてほしい。

【問題】

 大手飲料メーカーに勤務する35歳の会社員がいる。年収は約800万円、現在家事に専念する5歳年下の配偶者があり、子どもはいない。埼玉県内にマンションの持ち家があり、固定金利の住宅ローンが1000万円残っている。夫婦とも健康状態は良好だ。

 この人が、自分について以下のように語っているとする。この人物の金融的な状況を改善するアドバイスを理由を示しつつ5つまで挙げてください。

 「遺産をもらったこともあって、私は同年代では貯金のある方でしょう。銀行の給与振り込み口座に常時200万円程度の残高があります。この銀行で定期預金を持っていましたが、昨年満期が来て、1000万円ほど同じ銀行で現在毎月残高の約0.4%(税引き後)の分配金がある投資信託を購入しました。分配金は、当面使う予定がないので再投資しています。

 株式投資に興味はありますが、現在は勤務先の会社の株が社員持ち株会に約400万円ほどあるだけです。会社に確定拠出年金があり、残高が300万円ほどあって先進国の株価指数に連動するインデックスファンドに投資しています。

 今年から、NISAが始まるので、ネット証券にNISA口座を開いて、昨今の円安で儲かりそうな会社の株を1、2銘柄買ってみる積もりです。両親ともがんで亡くなったので、民間生保の医療保険に入っています」

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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