
「ねえ、MBTI何タイプ?」最近、若い世代ではこんな会話が“自己紹介”代わりだそうです。一方で、こうした性格診断には「自分を型にはめることの危うさ」も付きまといます。性格診断で、「自分を知ること」と「自分を狭めてしまうこと」の境界について考えてみましょう。(ジェラシー研究家・メンタル心理カウンセラー 清川永里子)
MBTI性格診断が大ブームのワケ
「今は自己紹介でMBTIのタイプを名乗るのは常識だよ!」という感覚、中高年には何のことやらサッパリだと思います。しかし、学生や20~30代の社会人の間では、MBTI診断がコミュニケーションのツールとして市民権を得ています。
MBTIとは「Myers-Briggs Type Indicator(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)」の略で、端的にいうと、性格を16タイプに分類する自己分析ツールです。心理学者カール・ユングのタイプ論をベースに、米国人の母娘(イザベル・ブリッグス・マイヤーズとキャサリン・ブリッグス)が開発しました。
診断では、以下の4つの指標から自分の傾向を導き出します。
●外向(E)/内向(I)
●感覚(S)/直観(N)
●思考(T)/感情(F)
●判断(J)/知覚(P)
診断によって、「ENTP」や「ISFJ」といった、アルファベット4文字で表す性格タイプが判明し、それによって仕事や人間関係の向き不向きが分かるというのが基本的なロジックです。
アルファベットでタイプを伝えると分かりにくいため、例えばENFJ型を「主人公」、INTJ型を「建築家」と言ったりして、互いのタイプを伝えるのも特徴です。