世界52ヵ国315店舗を展開し、売上高も3兆円を超える家具界の王者、イケア。その強さの秘訣は、低価格とデザインを両立させるための徹底的なサプライチェーン管理、そして、消費者の接点としての店舗展開にある。

こうしたイケアの強さの秘密を明かした「週刊ダイヤモンド」3月14日号の第1特集「北欧に学べ なぜ彼らは世界一が取れるのか」に合わせ、イケア・ジャパンのピーター・リストCEOに、日本での次の秘策について語ってもらった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉秀一)

時給900円を1.4倍に
グローバル人材術の本気

将来は銀座で出店も?<br />イケア・ジャパンCEOが明かす<br />日本市場での次なる“秘策”リストCEOは、オーストラリアで人事を担当してきた
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――イケアは世界で2020年に13年比で売上倍増を掲げています。達成のための、日本市場での戦略は。

 2020年に、売り上げを13年比で倍増させる。つまり、われわれは500億ユーロ(約6兆5000億円)の売上到達を目指しています。

 当然ですが、このグループ全体での目標を達成すべく、日本市場でも売り上げの倍増を目指しますが、もちろん今のままでは到底、達成できる目標ではありません。出店を加速させる必要があります。現在、日本には8店舗ありますが、20年までに14店舗に増やすつもりです。

 これまでイケアは船橋や港北など、郊外に大型店を出店してきました。しかし、今後は大型店のほか、関東、関西などの主要都市にも出店をしていきます。

――大都市は地価が高く、イケアならではの大型店の出店は、難しいのではないですか。

 もちろん、大都市で郊外店のように巨大な店舗を展開することはできません。そうすると、都市型の店舗は、あまり在庫を抱えない、中小型になると思います。

 大都市に店舗ができると、お客さまは、現在よりも簡単にイケアの商品を購入することができるようになりますね。