
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#35では、山口県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
山口県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
山口銀行、西京銀行が倒産させた企業は何社?
山口県を代表する地方銀行、山口銀行が経営効率の指標で存在感を示した。ダイヤモンド編集部が作成した全103行の経費率ランキング(2025年3月期)で、山口銀行はメガバンクをしのぐ低水準となり、全国でも上位に食い込んだ(詳細は『銀行「経費率」ランキング2025【全103行】経営効率でメガバンクを超える地銀も!三井住友がベスト3位、ベスト&ワースト1位は?』参照)。
他に先駆けて進めた持ち株会社体制への集約が奏功した。人事・事務・システムなど本部機能を山口フィナンシャルグループに集中させ、重複コストを圧縮した。
こうした経費率のコントロールも含めた地銀の経営状況は、地元企業にとって重要な関心事だ。企業を成長させて生かすのも銀行、危機に陥った際に命運を握るのも銀行だからである。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、再生か倒産かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地銀、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、山口県の金融機関を取り上げる。山口銀行、西京銀行のほか、西中国信用金庫、東山口信用金庫も名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の山口県の結果を確認していこう。