“ECCクオリティ”といわれる、品質の高い独自のメソッドを持つECC。語学専門教育機関として50年以上の歴史を持つECCは、個人はもとより企業や自治体の研修を通じた、ビジネス英語のレッスンでも定評がある。ビジネス英会話と日常英会話の違いは何か、習得のコツはどこにあるのか、ECC総合教育研究所の太田敦子所長に聞いた。
太田敦子所長
「ビジネス英会話というと、日常英会話に比べて相当の英語力が必要だと思われがちですが、実はビジネスの現場では定型の表現が多く、専門用語も意味が限定されて使用されるので、逆にそれさえ覚えれば、短期でマスターしやすいともいえるのです」
と、説明するのは、ECC総合教育研究所の太田敦子所長である。
ビジネス英会話と日常英会話の違いは、ビジネスに特化した語彙があること、商談や会議など特殊な場面で使われること、そしてフォーマルな対人関係で使われる点にある。
「英語ではYes, Noをはっきり言わないと駄目だと言われますが、フォーマルなビジネスの現場では意外と使いません。No,thank you.と言うところを、I don’t think so. と言ったり、I’m afraid と文頭に付けてみたり。それらを意識して学ぶ必要はあります」
英語の語順感覚を
身に付ける
とはいえビジネス英会話で必要になるのは、「ビジネス特有の言葉や言い回しを除けば、中学文法の基本知識と2000語レベルの語彙力。それだけで、会話の90%はカバーできる」という。問題は、その知識をいかにアウトプットするかである。
「ECCメソッドで大切にしているのは英語の語順です。日本人は助詞を使って話すため英語の語順感覚がものすごく希薄です。英語では語順を間違えると意味が全く違ってきます。そのためECCではパターンプラクティスを徹底して行います。英会話の基礎で語順を体得すると、その後の伸びが全然違う。体得しなければ、いつまでもブロークンイングリッシュのままです」。この語順感覚の体得は、もちろんビジネス英語でも重要だ。
また、日本人が苦手意識を持つのが“雑談”である。専門用語を駆使して会議や商談は乗り切っても、フリートークになると途端に固まってしまう。
「固まらないための具体的な方法としては、相づちの表現を入れていくこと。うまい表現がすぐに出てこないときは、Well, how should I put it?(英語で何と言ったらいいのか?)など、考えていることをアピールすること。また、相手の言葉が聞き取れないときは、たぶんこう言ったんですよね、と相手の言葉を復唱してみるなど、さまざまな方法があります」
あらかじめ無難な質問を20~30個用意しておくことも有効だ。趣味の話題などを準備しておいて、自分の得意な分野に話を持っていく。質問をすれば、相手が話し始めるきっかけになるし、聞き取れない言葉があっても、得意分野であれば推測できる。
「さらに、アイコンタクトをしっかり取る。大きな声で相手に伝わるように話す。握手はしっかり、笑顔を絶やさないなど、身体表現も大切になります」