福田晃之 第二営業本部長
一方で同社は、アドバンスト・マテリアル(先端材料)のスペシャリストとして、常に最新材料の研究・開発動向を追い求めている。
国内外の大学や研究機関とも活発に交流して、産学協同による研究・開発や、そこからスピンオフしたベンチャー企業などへの支援にも積極的だ。
「近年は、お客さまの市場におけるライフサイエンス分野の製品ニーズの高まりを受けて、バイオ関連の研究・開発に力を注いでいます。これらの取り組みを通じて生まれる新たな知見や技術をお客さまにタイムリーに橋渡しすることで、事業化を積極的にサポートしていきたいと考えています」と述べるのは、同社執行役員の福田晃之第二営業本部長だ。
先端素材の応用拡大と
普及に世界拠点を拡大
吉本泰雄 diX事業部長
また同社は、防水性、絶縁性、生体安全性などに優れた特殊コーティング技術である「パリレンコーティング」を主力サービスの一つとしているが、その用途分野を広げ、より多くの顧客に同技術を応用した製品開発の機会を提供していくという。
「もともとは航空宇宙用に開発されたコーティング技術ですが、自動車用センサーから小型電子部品まで、さまざまな製品への応用が可能です。生体安全性に優れているため医療機器への応用も広がっています」と、同社執行役員の吉本泰雄diX事業部長は述べる。
同社は2015年12月、パリレンコーティングのさらなる普及を目指して、同様の特殊コーティング技術で業界最大手の米国スペシャリティ・コーティング・システムズ(SCS)を買収した。
SCSは欧米に広く販路を持ち、KISCOは日本およびアジアを主な市場としているため、相互補完によるグローバルな事業展開が可能となった。
今後は、航空、自動車、エレクトロニクスや医療機器向けの需要が見込まれる欧米やアジアの市場開拓に力を入れていくという。このパリレンコーティング事業も含め、同社は先端材料の営業および生産を海外35社・46拠点で展開している。