引き算で考える
室内空間プラン
「リノベーションを考える場合、マンションの部屋を一つの箱と考え、そこに何を置いていくか、自分の優先順位を決めてから取り掛かると、その後の流れがスムーズになります。そのためにはまず、各リノベ会社や担当者のテイストを知ること、実際に使う住宅設備や壁・床などの建材を知ることの、両方が大事になってきます」
そう語るのはリノベーションに詳しい不動産コンサルタントの藤木賀子氏。2015年4月に青山通りにオープンしたインテリックスの「青山リノベーションスタジオ」(藤木氏がプロデュース)は、「これまでにない画期的なリノベのショールーム」と話題を呼び、一般客と並んで業界関係者もこぞって見学に押し寄せた。
同スタジオは8階建てのビルの6~8階の3フロアを使っており、同じ広さの“箱”をリノベーション次第でどう変えられるかを、上下階で見比べられる。テイストの違いは一目瞭然だ。
さらに、キッチン、浴室、洗面、トイレなどの水回りを、サイズ違いで展示。同じ大きさの“箱”であれば、どこかを広くすればその分、他が押しやられて狭くなる。そこで優先順位を決めるに当たって、サイズ感とグレードの違いを比較検討できる。
「例えば浴室もピンキリで、300万円のユニットバスもあれば、80万円の廉価版もあります。どこに違いがあるか、サイズ感は自分でお風呂に入って確かめてもよく、グレード感は実際に触ることで確かめられます」(藤木氏)
キッチンにしても、台所に立つ人が1人か、2人かで必要な広さが変わってくる。あくまで、リノベーション後の「新しい暮らし」を思い浮かべながら、住み手が五感を働かせつつ空間設計をしていく必要があるわけだ。
同スタジオでは、自分が大事にしたいスペースにより多くの広さを割くために、「最初に各種住宅設備の最小寸法をチェックしておく」ことを提唱。
さらには収納に既製品のワイヤーラックを組み合わせて安く仕上げるなどの工夫も提案しており、こうした「引き算ありき」の設計手法が、人気の鍵になっているようだ。
■この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2016年11月27日号『マンション 戸建て 投資 中古住宅の見極め方&快適リノベーション』の詳しい内容は こちらからご覧いただけます。
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