名古屋駅周辺で全国一地価が急騰している名古屋だが、新築分譲マンションの平均価格は下降気味となっている。9月に発表された基準地価では意外な駅別地価が示され興味深い。今、狙い目のエリアなどについても見ていこう。
基準地価上昇率全国1位の名古屋井門ビル(中村区椿町)。向かって右隣の結婚式場はすでにJR東海が買収済みで、リニア新駅の乗降口の予定地とも。その隣には河合塾
9月20日に公表された基準地価では、前年比伸び率1位に名古屋駅西側の基準点(名古屋井門ビル)、2位には前年1位だった同東側の基準点(大名古屋ビルヂング裏)が挙がりました。それぞれ1平方メートル当たり325万円から430万円へ、303万円から400万円へ上昇しています。駅裏と呼ばれてきた前者は坪単価に直すと1420万円になります。若干マイルドに出る基準地価が、わずか2年間で2倍近く高騰という異常事態です。
駅西側では、椿町に残る風俗街などの再開発が次の焦点になりそうです。同じ中村区の住宅地である則武2丁目では坪300万~400万円という数字も出ており、新築分譲マンションの採算が合わなくなってきているようです。
名古屋市の人口は今年5月に230万人を超えました。中でも、住民が流出するばかりだった中村区が流入増になった点が注目されます。200万人を超えた1969年の中村区は20万人と千種区に次いで2番目に人口が多い区でした。ところが70年代、80年代と人口の流出が続き、16区中11位が定位置に。その間、77年に開業した市営地下鉄鶴舞線の八事から赤池の間に賃貸マンションがたくさん建築されました(今では賃料・入居率共に下降気味ですが)。
次いで、89年には桜通線が開業、2011年に「徳重」(緑区)まで延伸したときには付近の地価が高騰しました。