加藤剛司(かとう・こうじ)
エステイトアクティフ株式会社(2015年12月、1969年創業の株式会社名古屋エステイト社から社名変更)代表取締役兼代表執行役社長。早稲田大学法学部卒。名古屋テレビ放送勤務を経て、現職。名古屋の不動産事情に精通、不動産の総合コンサルタントとして顧客の資産形成に寄与している。


 

 8大都市を対象にアンケート調査を名古屋市が実施したところ、最も魅力に乏しい都市は名古屋である、という結果が出てしまいました。この手の調査では近くの大宰府ぐらいしか歴史的な見どころがない福岡と最下位を争うものですが、残念なことに「(名古屋での)買い物や遊びを友人・知人に推奨するか」「(地元に)愛着があるか」の2項目で8都市中最下位と、市民自ら「見どころが少なくお勧めできない」「名古屋を好きではない」という意識を露呈しました。

 終戦間際の5月14日の空襲で焼失してしまった名古屋城は国宝の姫路城より規模が大きく、図面も残っています。今でも外国人観光客の訪問先としてはお城と徳川美術館が人気です。往時を思い起こさせる木造での再現も含め、文化的な観光施設がもう少しできるといいのですが。

 直近の話題では、8月の新築分譲マンションの平均価格が1年数カ月ぶりに4000万円を割り3983万円(前月比▲12.7%)となったことでしょうか。郊外型物件の増加が背景にあるようで、9月以降も同様に推移しそうです。

2年で地価倍増の異常事態
伸張する中村区、狙い目は

 今回の基準地価を各駅からおおむね1キロメートルの平均値で見ると、意外な感じがしますが、東山線の「一社」(名東区)と「中村公園」(中村区)、東山線の「今池」(千種区)と鶴舞線の「浄心」(西区)とがそれぞれ同水準になっています。旧市街地といわれた鶴舞線の「庄内通」(西区)、名城線の「平安通」(北区)付近などは都心に近い割には地価も安く狙い目です。

 名古屋駅周辺の中村区の勢いに押されて、名古屋一の繁華街である栄周辺の印象が薄くなりがちです。地元有志からは南北に走る久屋大通公園の周囲を1周3・5キロメートルの木の遊歩道にしようといった提案も。すでに公園内にある名古屋テレビ塔の保存は決まりました。一方で、中日劇場の入る築53年の中日ビルも建て直しに向かうようで、栄エリアの再開発が始まる端緒になりそうです。

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