長く価値を生み続ける
プロとしてのものづくり

「IT環境は目まぐるしく変化しています。例えば、PCがインターネットにつながって大きな変化をもたらしましたが、今やクラウドの時代でPCレスも珍しくありません。一方でお客さまの要望は、どうしても現時点の課題からの発想になります。ですから、その機能を入れても、1年で陳腐化すると思えばお断りすることもあります。伝えるには勇気が必要ですが、社員が幸せを感じ、仕事に誇りと自信を持って向き合っていれば可能だと思います」

 プロダクトで幸せを連鎖させるには、継続して使ってもらう必要がある。つまり長く価値を生み続けてこそ、プロフェッショナルの仕事といえるのだ。

「現状把握のためにお話をうかがいながら、プロとして的確な未来予測を行い、長く使っていただける開発を行う。それが我々のミッションであり、必要であれば、お客さまにもはっきりものを言います。その結果、企業の競争力と価値が向上し、幸せが連鎖していくのが私にとって理想のビジネス像です」

 同社の主力製品、システム連携を行うパッケージソフト「ASTERIA」は、2002年の発売開始からバージョンアップを重ね、現在は5000社を超える企業に利用されている。「幸せの連鎖」が、ビジネスとして構築されている証しともいえるだろう。

1枚のクレジットカードに
世界への夢を馳せた

 経営者ではなく、1人のユーザーとして製品やサービスを選択するときも、「継続して幸せを提供してくれるかどうか」を基準にすると平野社長は言う。現在はシンガポールに生活拠点を置くため、飛行機の利用頻度が高い。以前、いつも使っている航空会社で誕生日に搭乗すると、思いがけないサプライズプレゼントを贈られて感動したことがあるという。そうした幸せな体験の積み重ねが、企業とユーザーの関係性を密にしていくのだ。

「クレジットカードの利用も一種の幸せ体験といえるかもしれません。多摩川沿いのアパートの一室で起業したとき、私が選んだのは『アメリカン・エキスプレス』でした。吹けば飛ぶような小さな会社でしたが、『将来は海外で勝負できる会社になる』と夢だけは大きく、世界中のどこにいても利用できるカードは、未来へつながるパスポートのように感じたからです」

海外での生活において
欠かせないパートナー

 創業時に見た夢は現実となり、今、平野社長は国内外の多くの決済シーンでアメリカン・エキスプレスを利用している。シンガポールでの移動にはタクシーを使うことが多いが、なかなかつかまらないこともある。平野社長はタクシー配車サービスUberを日常的に使い、近距離の移動でも決済はクレジットカード。以前は、日本からの飛行機で到着すると、空港でシンガポールドルに両替していたが、今はほぼすべてクレジットカードが使えるため、わざわざ両替することもなくなったという。

「日本も、以前よりクレジットカート決済が浸透しているのでありがたいですね。シンガポールから日本本社に出社する場合、朝羽田に着く飛行機を選ぶことが多いのですが、時間を少しでも有効に使うために、朝食はコンビニで済ませるのも珍しくありません。先日、財布に日本円がなかったため、216円の決済をクレジットカードでお願いしても、なんの問題もありませんでした。日本も変わりましたね」

 クレジットカードで決済する理由は、まず「使い勝手がいいこと」。小銭や現地通貨を持たなくてもいいのは、日本と海外を行き来することの多い平野社長には大切なポイントだ。クレジットカードを持つことが「信頼性」を担保する点も見逃せない。そして継続して利用していると、いろんな「価値」が生まれる。利便性はもちろんだが、たまったポイントをアイテムに交換し、会社のイヤーエンドパーティの景品に使ったことも。これは「幸せの連鎖」の1つともいえるだろう。さらに「そういえば」と、アメリカン・エキスプレスでは不正使用の被害を一度も経験していないことも、平野社長は強調した。