店頭で発行されるカラー化した
レジ・クーポン®が「キョウソウ」を促進

 セイコーエプソンとの共同開発で生まれたオリジナルの小型高速カラープリンタは、消費者が会計をすませると同時にカラーのレジ・クーポン®を発行。 POSデータ分析で導き出した「最適な情報」はリアルタイムで消費者の手に渡る。たとえばワインを購買した消費者に、色鮮やかに印刷されたチーズの写 真と割引情報が。たとえば調味料を購買した消費者に、その調味料を用いたお薦めレシピがカラーでわかりやすく……というように。モノクロのときより紙 質も向上。メディアとしての表現力と訴求力に格段の違いが生まれた。

 また、カタリナ マーケティング ジャパンがこれまで提唱してきた「企業間のキョウソ
ウ」もカラー化によって進展する、と若林氏。

「売れない時代」を覆すためには、ターゲット・マーケティングの可能性を、あらゆる立場から追求していく必要がある。そう考えたカタリナ マーケティングジャパンは、同社の手法をさらに活用するための意見交換の場としてカタリナクラブを設立。複数のリテーラーおよびメーカーから、企業間の壁を越えてキープレーヤーが集まり、オープンに語り合うことで、“協奏”=コラボレーションが次々と生まれているという。

「カラーメディアをどう活用するか、企業のあいだで“競争”は進むでしょう。一方で、コラボレーションやアライアンスといった“協奏”も進むと思っています。二つの『キョウソウ』が進めば、『モノが売れない時代』を根底から覆すことができる。そのためにも、年に2回、カタリナクラブというメーカー様、リテーラー様が多数情報交換できる場を設けております」 

 若林氏は言う。

「店頭だからこそできるマーケティングは、まだまだ無限の可能性を秘めているのだ」と。デジタルメディアとの融合も今年中にスタートするとのこと。消費者の購買行動という事実に基づくマーケティングが、消費復活の旗頭となる日も近いのかもしれない。

C A S E 

紀文食品 山本真砂美

マスにはない
「ヒトに近づく」という特性が

メーカーには何よりの魅力

「年神様」を表現した消費者向けリーフレット。おせち料理の由来などを紹介

 お正月は「年神様を自宅にお迎えする」という本来の意味をもっと多くの方に知っていただく。それによって、おせち料理への愛着を高め、最終的には販促へとつなげよう……という発想の下、紀文では2005年末から多様なコミュニケーション戦略を打ち、さらにおせちにかかわる他の飲料・食品メーカーとのコラボレーション企画も進めていました。

 そして、08年末以降カタリナ マーケティング ジャパンさんとの連携も始まりました。最大の理由は「私たちのお客様になってくれる方へ確実に届くメディア」だったから。

 そして「1社対1社のコラボレーションにとどまらず、より多くのメーカーとの連携が可能になるプラットフォーム」であることも後々理解することができたからです。

 すでにお正月プロジェクト以外にも、「魚河岸あげ」の販促企画などで実績も上げました。今回のカラー化を機に、また互いに新たな可能性を探って意見交換をしているところです。