2010年の海外渡航先満足度ランキングでは堂々の第1位(注)とハワイの人気ぶりは健在だ。昨年は羽田―ホノルル便が就航となってアクセスが増えたうえ、今年11月にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の開催が決定した。2011年のハワイは、楽園リゾートとしてだけでなく、ビジネスや国際会議にふさわしいディスティネーションとして、その存在感を世界にアピールすることになる。

2010年は回復の年。
今年、ハワイの景気はさらに上向く

2010年――ワイキキに観光客の姿が目立ち、街に活気が戻ってきた。数年来進んでいたホテルや建物のアップグレードに加え、現在はAPECに向けた街の美化や整備が急ピッチで進行中。観光業だけでなく、不動産や建設、再生可能エネルギー関連事業にも、一段と弾みがついてきている。

観光客の姿が目立ち住民の消費も増大

新しいショップがオープンして活気づくロイヤル・ハワイアン・センター周辺。涼しくなる夕方以降ににぎわいが増す

 最近、ワイキキを歩いて気づくのは、一時期に比べて、街ににぎわいが戻っていることだ。

 新しい店がオープンし、街並みや行き交う人びとにも華やぎが感じられる。2010年のハワイへの渡航者は約709万人で前年より8.7%上昇。北米に次ぐ巨大マーケットである日本からの渡航者は約123万人と前年を5.3%も上回った。

  ハワイ滞在客の滞在期間中消費額総計は約114億ドルで、前年より16.2%も上昇。1日当たりでは、全体平均172.4ドルである。これに対し日本人の平均は267.8ドル。相変わらず消費意欲が旺盛のようだ。

ハワイ州
ブライアン・E・シャッツ 副知事

 「10年は当州が厳しかった状況を抜け出した年になりました。ツーリズムが盛り返し、不動産や建設のほか、再生可能エネルギー関連の産業も上向いてきているので、今年はさらによくなると期待しています」とハワイ州のブライアン・E・シャッツ副知事は語る。

 昨年のハワイの失業率は6.5%。1年9ヵ月ぶりに低い水準になったといわれる今年1月の米国全体の失業率9.0%と比較してもかなり低い。
 

ファースト・ハワイアン
銀行 会長兼CEO
ハワイ・ビジターズ・
アンド・コンベンション・ビューロー会長
ドナルド・G・ホーナー
ホノルル市やNPO団体 が主催するファーマーズ ・マーケットは、市民の 生活の場であるとともに、 人気の観光スポット

 「当行はハワイ州の約3分の1のクレジットカードを決済していますが、その売り上げデータから、10年の消費が前年に比べて6.5%伸びていることがわかりました」とファースト・ハワイアン銀行会長兼CEOのドナルド・G・ホーナー氏も、ハワイの好景気を証言した。

  街全体がAPEC開催の予感をはらみながら、景気を加速させている最中だといえよう。

(注)エイビーロード・リサーチ・センターが実施した「エイビーロード海外旅行調査2010」の「渡航先満足度ランキング」において、ハワイ(オアフ島)、ハワイ(オアフ島以外)、ドイツが満足度97%で同率第1位となった