2011年、ハワイの景気は
「慎重ながらも楽観的」

ホノルル市
ピーター・カーライル
市長

 2011年の景気を「慎重ながらも楽観的」と語るのはホノルル市のピーター・カーライル市長。 今年2月にはカポレイ―アラモアナ間の新たな鉄道工事が着工。市内ではAPEC開催に向けて道路工事や下水整備が盛んに行われている。

 「APECでは1億2000万ドルの経済効果を見込んでいますが、それ以上にハワイがビジネスに適した場だと知ってもらうことによる長期的効果が大きいと思います」(カーライル市長)

  ハワイ・コンベンション・センターのジョー・デイビス総支配人は、ハワイがホスト州に選ばれた理由をこう分析する。 

ハワイ・コンベンション・
センター
ジョー・デイビス
総支配人

 「オバマ大統領の故郷ということもありますが、ハワイの治安のよさ、アジアと北米の真ん中にある地理的優位性、そしてハワイならではのホスピタリティが大きな要因でしょう」

 ハワイの多様性も見逃せない。さまざまな人種が集い共存する様子は、各国へのすばらしいメッセージとなるだろう。

■クリーンエネルギー分野で雇用を創出

 このAPECでハワイがアピールしたいのが、クリーンエネルギーに関する取り組みだ。

  ハワイは年間60億ドルもの化石燃料を輸入しているが、クリーンエルギーに不可欠な地熱や風力、太陽光などの天然資源に恵まれたすばらしい環境でもある。

 「米軍基地があることも好条件となっています。燃料を大量に消費する米軍にとっても、いまやクリーンエネルギーは必須であり、十分な開発予算もついていまます。しかも、クリーンエネルギーのテスト地として、ハワイの人口や地理的規模は好適なのです」(シャッツ副知事)

  すでにマウイ島とハワイ島では、地熱や風力、太陽光を使ったエネルギー開発が進んでおり、数年以内に両島が使用する50%以上をクリーンエネルギーに転換していく予定だという。

 「この分野は政府も援助しており、今後も成長が期待できます。当然、雇用も増やすことができる――ハワイ州政府はプラン『A New Day in Hawaii』に、グリーンジョブの創出を大きく掲げています」(シャッツ副知事)