雑談が
イノベーションを生む

齋藤敦子
ファニチャー事業本部 事業戦略本部
WORKSIGHT LAB. 主幹研究員

「ICTが発達してきた現代だからこそ、コミュニケーションの垣根を取り払い、企業トップと現場を自然に、そしてカジュアルに結ぶことが大切だ」と坂上事業本部長は語る。そして、そのための仕掛けが、同社がこれまで蓄積してきたワークスタイル研究のノウハウによって誕生した「DAYS OFFICE(デイズオフィス)」だ。

 現在のようなビジネス変革の時代においては、素早い経営判断や意思決定が求められる。そしてそれには、現場の知見が欠かせない。だが、必要になってから情報を集めているようでは、時間がかかり過ぎる。

 齋藤主幹研究員は、「普段から、パーソナルな視点、考え方でのコミュニケーションが重要」だという。DAYS OFFICEは、そのためのニュートラルな場として機能する。

 自然素材を多用した大きなカウンターテーブルや視線が抜けるウォールシェルフを配した開放的な執務スペースでは、部署や地位、世代の違いといったバリアが低くなる。気楽な声掛けから会話が始まり、“報告”ではない“雑談”として、現場の最先端情報も交換できる。何げない発言から周囲を巻き込んだディスカッションに発展し、そこから新たな発想も生まれてくるだろう。活発なコミュニケーションで、仕事に対するモチベーションや充足感も高まり、幸福感を持って働けるようになる。つまりウェルビーイングの実現でもある。

ソファーを連結して配置したワイヤードソファー。快適なワークスペースで、グループワークから個人ワークまで柔軟に使用できる

 企業トップが本気で組織を変革させたいと願うのなら、「戦略を持ってオフィスに投資すること。そうすれば、社員の意識や行動は変わる」と坂上事業本部長は言い切る。「20世紀から続く古い組織構造や旧態依然のオフィスでは、企業が蓄積してきた資産(社員・知識・技術)を活用できない」(齋藤主幹研究員)ため、これからのビジネス競争では戦えないのである。同社が提案するのは、グローバル時代のビジネスに勝つためのオフィスだ。